トヨタ新型ハリアーの北米版ヴェンザ(Venza) まるでそっくりなハリアーとヴェンザというTNGA GA-KプラットフォームのSUVを考える

car

4月に発表された新型ハリアーはTNGAのGA-Kプラットフォームを使うSUVとしてはRAV4に次いで2モデル目。そして3モデル目として北米で発表されたのが、ヴェンザ(Venza)である。ハリアーの北米版であるヴェンザ、ハリアーと比べてみよう。

新型ハリアーと新型ヴェンザは一卵性双生児

北米のヴェンザ(Venza)の先代モデルは2015年に販売が終了していた。それが5年ぶりに復活したというわけだ。新型ヴェンザ(2021年モデル)が登場する前は、北米でのトヨタのSUVラインアップは小さい方から

C-HR

RAV4

HIGHLANDER(ハイランダー)

4RUNNER

LAND CRUISER(ランドクルーザー)

SEQUOIA(セコイア)

だった。これをプラットフォームで見てみると

C-HR(TNGA GA-C)

RAV4(TNGA GA-K)

HIGHLANDER(TNGA GA-K)

4RUNNER(ラダーフレーム)

LAND CRUISER(ラダーフレーム)

SEQUOIA(ラダーフレーム)

となる。モノコックボディがオンロード重視、ラダーフレームがオフロード重視だと考えると、オンロード重視のニーズをC-HRとRAV4と大型のHIGHLANDERで応えなければならなかったわけだ。現行RAV4は歴代モデル最大のヒットとなっている。となれば、このオンロード重視のSUVにRAV4より少し大きなモデル(RAV4とHIGHLANDERの間)を投入する必然性も出てくる。

そこにまさにぴったりなのが新型ヴェンザ=ハリアーだ。

ということで、新型ハリアーと新型ヴェンザは、一卵性双生児となった。ヴェンザ登場でトヨタの北米SUVのラインアップはこうなる。

C-HR(TNGA GA-C)

RAV4(TNGA GA-K)

VENZA(TNGA GA-K)

HIGHLANDER(TNGA GA-K)

4RUNNER(ラダーフレーム)

LAND CRUISER(ラダーフレーム)

SEQUOIA(ラダーフレーム)

新型ヴェンザは

・TNGA GA-Kプラットフォーム

・2.5ℓ直4+THSⅡのハイブリッド(日本のハリアーにある2.0ℓガソリンエンジン仕様の設定はなし)

・システム最高出力は219hp

・燃費は、17.0km/ℓ(40MPG)

・駆動方式は、AWDのみ。AWDはリヤにモーターを積む「電動AWD」

・生産はハリアーを生産する高岡工場

となっている。

上が新型ハリアー、下が新型ヴェンザである。言うまでもなく、まったく同じ。従来は、モデル名が違うクルマはベース車両が同じでも日本仕様と北米仕様はサイズ(北米仕様の方が大きい)、デザイン(アメリカ人が好むエクステリア)が異なる場合が多かった。ところが、今回のヴェンザはハリアーそのもの。北米向けに開発されたRAV4が日本でも大ヒットしたように、クルマの好みが日米(というよりもグローバルで)で似てきている、ということなのだろうか。

ちなみに、先代のヴェンザはこういうカタチをしていた。

正面視でも、ハリアーとヴェンザの違いはもはや間違い探しレベル。左右のライトからつながるシグネチャーラインの処理が少し違うのと、グリルの大きさがヴェンザの方が大きく見える(カメラのレンズの画角の違いかもしれない)。トヨタ・マークの大きさも同様だ。

ハリアーの最上級「Z」グレードのセンターディスプレイには12.3インチ高精細TFTワイドタッチタイプを採用。写真ではヴェンザの方が大きく見えるが、ヴェンザも上級グレードは12.3インチのマルチメディアタッチスクリーンを採用する。

エクステリア、インテリアともハリアーとヴェンザは同じ(もちろん細部で仕様が異なる部分もあるだろうが)。差別化するためのデザイン工程も、差別化のための部品、金型も削減できるということは、高いコスト競争力を持つということを意味する。

パワートレーンは、ヴェンザは2.5ℓ直4+THSⅡのハイブリッドのみ。厳しくなる燃費規制(CAFE規制)を考えると、できるだけ燃費のいいモデルを世界中で売りたいメーカーの思惑がある。新型ヤリスも欧州ではハイブリッドのみの販売となっているし、この新型ヴェンザも同様だ。

おそらく、そう遠くない将来に、レクサスRXがモデルチェンジすることになる。新型RXは、RAV4、ハリアー、ヴェンザと同じGA-Kプラットフォームを使う。パワートレーンもハイブリッドがメインになるだろう。トヨタのTNGAは、SUVのラインアップにもコスト競争力にも大きな力となっていることは明白だ。

北米におけるトヨタ/レクサスのSUVのラインアップを整理してみよう。

トヨタ・ブランドのSUV in USA

トヨタC-HR(2016年〜)

全長×全幅×全高:4385mm×1795mm×1550mm

ホイールベース:2640mm

プラットフォーム:TNGA GA-C

パワートレーン:2.0ℓ直4DOHC(北米は1.2ℓターボ、ハイブリッドの設定はなし)

トヨタRAV4(2019年〜)

全長×全幅×全高:4610mm×1865mm×1690mm

ホイールベース:2690mm

プラットフォーム:TNGA GA-K

パワートレーン:2.5ℓ直4(北米では2.5ℓ直4+8ATの設定)

ボディサイズがハリアーと同一だと仮定すると

トヨタ・ヴェンザ(2020年~)

全長×全幅×全高:4740mm×1855mm×1660mm

ホイールベース:2690mm

プラットフォーム:TNGA GA-K

パワートレーン:2.5ℓ直4+THSⅡ

トヨタ・ハイランダー(2019年〜)

全長×全幅×全高:4950mm×1930mm×1730mm

ホイールベース:2850mm

プラットフォーム:TNGA GA-K

パワートレーン:3.5ℓV6+8AT/2.5ℓ直4+THSⅡ

トヨタ4ランナー(2009年〜)

全長×全幅×全高:4832mm×1925mm×1796mm

ホイールベース:2789mm

プラットフォーム:ラダーフレーム

パワートレーン:2.7ℓ直4+5AT/4.0ℓV6+5AT

トヨタ・ランドクルーザー(2007年〜)

全長×全幅×全高:4990mm×1980×1945mm

ホイールベース:2850mm

プラットフォーム:ラダーフレーム

パワートレーン:5.7ℓV8+8AT

TOYOTA SEQUOIA(2008年〜)

全長×全幅×全高:5210mm×2029mm×1894mm

ホイールベース:3099mm

プラットフォーム:ラダーフレーム

パワートレーン:5.7ℓV8+6AT

レクサス・ブランドのSUV

レクサスUX(2018年〜)

全長×全幅×全高:4495mm×1840mm×1540mm

ホイールベース:2640mm

プラットフォーム:TNGA GA-C

パワートレーン:2.0ℓ直4+CVT/2.0ℓ直4+THSⅡ

レクサスNX(2014年〜)

全長×全幅×全高:4640mm×1845mm×1645mm

ホイールベース:2660mm

プラットフォーム:MCプラットフォーム

パワートレーン:2.0ℓ直4ターボ+6AT/2.5ℓ直4+THSⅡ

レクサスRX(2015年〜)

全長×全幅×全高:5000mm×1895×1720mm

ホイールベース:2790mm

プラットフォーム:Kプラットフォーム

パワートレーン:2.0ℓ直4ターボ+6AT、3.5ℓV6+THSⅡ

レクサスGX(2009年~)

全長×全幅×全高:4806mm×1885×1885mm

ホイールベース:2766mm

プラットフォーム:ラダーフレーム

パワートレーン:4.6ℓV8+6AT

レクサスLX (2007年〜)

全長×全幅×全高:5080mm×1980×1910mm

ホイールベース:2850mm

プラットフォーム:ラダーフレーム

パワートレーン:5.7ℓV8+8AT

トヨタで7モデル、レクサスで5モデル、計12モデルという大陣容だ。今回はトヨタが「SUV」としているモデルだけを取り上げたが、このほかにタコマ(TACOMA)とタンドラ(TUNDRA)というピックアップトラックも用意する。トヨタのSUV系の品揃えに驚くばかりだ。

上の見てもわかるとおり、ラダーフレーム系以外では

レクサスNX:2014年〜(MCプラットフォーム)

レクサスRX:2015年〜(Kプラットフォーム)

のみがTNGAに切り替わっていない。となれば、次にモデルチェンジを受けるのはこの2台ということになる。おそらく、NXはGA-K(ホイールベース:2690mm)、RXはGA-K(ホイールベース:2850mm)を採用することなると予想する。

関連記事

関連コンテンツ

最新ニュース20件