ソニー、20年度のイメージセンサー売り上げは横ばい想定

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センシング用の開発・強化を継続

世界で初めてAI処理機能を搭載したソニーのインテリジェントビジョンセンサー

ソニーは、2020年度のイメージング&センシング・ソリューション事業(I&SS=半導体事業)について、イメージセンサーの売上高が19年度並みにとどまる可能性があるとの認識を示した。20年度の通期見通しは開示していないが、スマートフォン市場の減速やサプライチェーン上での在庫増などを注視しつつ、中長期の需要動向を視野に入れて車載用やセンシング用などの研究開発を継続する。

在庫の増加や製品ミックスを注視

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新型コロナウイルスの影響に関して、顧客のスマホ生産・販売に比べ、現状ではソニーのイメージセンサー出荷の落ちが比較的少ないため、サプライチェーン上で在庫が増えている可能性があるとみている。顧客のサプライチェーンは回復傾向にあるものの、ハイエンドスマホの販売低迷で、20年度はミドル~ローエンドの比率が上昇してイメージセンサーの製品ミックスが悪化する可能性や、19年度に進んだ素子大判化ペースのスローダウン、画素サイズ0.8μmのイメージセンサーが量産2年目に入ることによる価格軟化などがイメージセンサーの収益に影響する見込みだ。

19年度は売上高1兆円を突破

このほど発表した19年度業績で、I&SS事業の売上高は前年度比22%増の1兆706億円、営業利益は同64%増の2356億円となり、期初予想を大幅に上回って過去最高を記録した。このうちイメージセンサーの売上高は、販売数量の増加や大判化などで同31%増の9302億円となった。通期の設備投資実績は同89%増の2768億円(うちイメージセンサー向け2657億円)だった。

設備投資の2割は「可能な限り延期」

20年1~3月期末のイメージセンサーの月産能力は12.3万枚で、ウエハー投入は12.2万枚のフル稼働を維持した。4~6月期中に13.3万枚まで増強する予定だが、ウエハー投入は12.7万枚とし、モバイルおよびデジカメ用で若干の生産調整を行う。20年度末には当初計画どおり13.8万枚まで月産能力を引き上げていく方針だ。

18~20年度に総額約7000億円をイメージセンサーの増強に投資する方針を表明済みだが、すでに80%強の投資計画については決定済みで、21年度の稼働に向けて長崎テックで新工場の建設などを進めている。残り約20%については、新型コロナウイルスの影響を精査するため可能な限り延期し、市場と需要の動向を見ながら実施時期を判断する。

AI搭載ビジョンセンサーを商品化

ソニーは、イメージセンサーにおけるセンシング用途の売上構成比を、19年度実績の4%から25年度には30%まで高める考え。こうした製品の1つとして、先ごろ世界で初めてAI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー 2タイプを商品化し、4月からサンプル出荷を開始している。

有効約1230万個の裏面照射型画素を配置した画素チップとロジックチップを重ね合わせた積層構造を用い、画素チップで取得した信号をセンサー内でAI処理して必要なデータだけを抽出し、クラウドサービス利用時のデータ転送遅延時間の低減、プライバシーへの配慮、消費電力や通信コストの削減などを実現。広い視野角で情報を捉える。ロジックチップには、通常のイメージセンサー信号処理回路に加え、AIに特化した信号処理を担う独自DSP(Digital Signal Processor)と、AIモデルを書き込むメモリー(8MバイトSRAM)を搭載した。高速エッジAI処理が可能であり、本製品の採用でAI機能を実装したカメラが開発できる。

電子デバイス産業新聞 編集長 津村 明宏

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