寝不足によるADHDのような行動は起業家精神を触発する(米研究)

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睡眠不足が誘発するADHD的傾向と起業家精神

ビル・ゲイツ、ウォルト・ディズニー、リチャード・ブランソンといった実業家、あるいは俳優のジム・キャリーやコメディアンのホーウィー・マンデルといった人物は、いずれもADHDであることが報じられていながらも、それぞれの業界に多大な影響を与えた人物だ。

これを聞いて、ADHDでありながら傑出した業績を残すなんて凄いと思うだろうか? 案外、ADHDであるからこそ、普通の人には困難なことをやってのけることができたのかもしれない。

実際、セントラル・フロリダ大学(アメリカ)の研究グループは、睡眠不足によって誘発されるADHD的な振る舞いが、人を起業に駆り立てている可能性があると述べている。

ちなみにADHD的なふるまいとは、不注意(活動に集中できない、気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めない)や、多動衝動性(じっとしていられない、待てない、落ち着かない)などだ。

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こうしたことは、研究グループが実施した4つの調査から判明した。

これらの実験では、参加者に過去6か月の睡眠とADHD的な傾向について質問。くわえて今後5〜10年で起業する予定についてたずね、その人の起業家精神の高さの指標とした。

なおADHD的傾向は、たとえば「プロジェクトの難所が過ぎてしまうと、最後まできちんとやり遂げられないときがある」「組織に必要な仕事を整然とこなすことができない」といった質問によって評価された。

さらに研究グループは、参加者をきちんと睡眠をとるグループと徹夜のグループに分け、睡眠不足がADHD的傾向や起業に対する志向に与える影響を調べたり、実際に起業した人を対象とした調査を行ったりもしている。

こうした調査を通じて集められた回答を分析したところ、一時的な睡眠不足はADHD的な傾向を助長し、さらにそうした傾向が起業家精神を触発するという結果が一貫して得られたとのことだ。

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睡眠不足のメリットとデメリットを考える

睡眠不足になれば、元気がなくなり、生産性は低下。長い目で見れば人生における成功を邪魔してしまう。だから最近の研究は、十分な睡眠を取るよう推奨しているものが一般的だ。

今回の研究は、そうしたものとは正反対に思えるかもしれないが、研究グループは、あえて睡眠不足になるような生活を勧めているわけではないので注意が必要だ。

たとえ睡眠不足が起業家精神を駆り立てたとしても、それで認知能力や心の安定が損なわれてしまえば、その起業自体が失敗してしまうリスクは高くなるだろう。

しっかり眠れば、健康には良くても起業家精神が萎えてしまう。反対に眠らなければ、起業家精神は触発されるだろうが、健康には悪い。そのメリットとデメリットのバランスを考える必要があるということだ。

また、眠りたくても、そうも行かない生活を送らざるを得ない人がいるのも確かだ。

今回の結果は、そうした人たちへのレッテル張りをなくし、世間でさまざまな睡眠習慣が受け入れられるようになる手助けになるだろうと研究グループは述べている。

この研究は、『Entrepreneurship Theory and Practice』(8月12日付)に掲載された。

The Weary Founder: Sleep Problems, ADHD-Like Tendencies, and Entrepreneurial Intentions - Brian C. Gunia, J. Jeffrey Gish, Mona Mensmann, 2020
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1042258720940502
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