ハーブ王子・山下智道さんが教える、身近な野草観察の魅力と野草レシピ

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まだまだ遠出のできない状況が続きますが、遠出をしなくても、家の周りでも旅はできるもの。いつもは素通りしている植物に目を向けることで、散歩が旅に変わるかもしれません。そこで、ハーブ王子こと山下智道さんに、身近な野草観察の魅力と身近な野草でできる小物や料理のレシピを教えてもらいました。

教えてくれたのはハーブ王子こと山下智道さん!

今回お話を伺ったのは、野草研究家で、そのルックスからハーブ王子と呼ばれている山下智道さん。登山家の父のもと、幼少より大自然と植物に親しんで身についた野草に関する広範で的確な知識を活かし、国内外で多数の観察会・ワークショップを開催しています。また、作詞作曲家・ヴォーカリストとしても活躍しています。少し視点を変えるだけで、ご近所の散歩も旅に変わるもの。身近な野草観察の魅力はどんなところにあるのでしょうか?

身近な野草観察の魅力とは

カタバミ

――野草観察の魅力を教えてください。

「野草やハーブを見ていると、何か語りかけているように感じる事が多々あるんです。例えば夏の野草の代表であるスベリヒユは、人に踏まれやすい場所に生える植物です。私の家に生えているスベリヒユも、父や母に踏まれながらもコンクリートの隙間に力強く生き延びています。また、家紋のモチーフとして使われることも多く、古くから日本で親しまれているカタバミ。その場から動けなくても、子孫を増やそうと種子を弾け飛ばす様には心打たれるものがあります。私もこれらの野草を見習って、与えられた環境を楽しんで生きていかなければと勇気づけられますね。それから、植物も人と一緒で、その日その日で雰囲気がころころと変わるんです。本当に見ていて飽きないんですよ」

――遠出をしなくても野草観察はできるのでしょうか?

「野草観察というと、どれぐらいのフィールドでの活動を想像するものでしょうか? 私は今、講演会以外は基本的に自宅の部屋に引きこもっていて、それはそれなりに楽しんでいるのですが、1日1回はどうしても土に生えている植物が見たいという衝動に駆られます。そんなとき、玄関の扉を開ければ、もうそこに野草は生えています。植物にはリラックス効果があるので、仕事の合間に庭や周りの草花を眺めるだけでも息抜きになると思います。この自粛期間は、身近な植物を見直す良いタイミングだったのかも知れませんね」

――野草を使った料理や小物づくりもされていますが、その魅力はどんなところにありますか?

「何といっても、自然をいただくということ自体がとても贅沢なことだと思うんです。それから、料理や小物を作っているときは、無心になれます。悩みごとがあったとしても、いつの間にかそれを忘れさせてくれますね」

――料理や小物に使う植物を採る時のポイントを教えてください。

「まず、植物は傷んでいなくてみずみずしいものを選ぶこと。葉っぱが健康そうなものが良いですね。採ってきた後は、水を張ったボウルに浸けて汚れを落としてください。僕は半日くらい浸けてから、料理や小物づくりに使っています」

山下さんに、身近に出合えるおすすめの野草と、それを使った料理や小物のレシピをうかがいました。

身近な野草①美容オイルとしても使えるヨモギ

「ヨモギはハーブの一種で、もっとも身近な野草のひとつです。ヨモギを使った料理を作ったことのある人も多いのではないでしょうか? お茶やハーバルバスなどいろいろな使い方ができるのも魅力です。効能も素晴らしくて、“ハーブの女王”といわれているんですよ。造血作用があるので、末端冷え性の方や女性におすすめです。今回紹介するヨモギのオイルは、マッサージ用の植物油としても、ミツロウを混ぜてハンドクリームとしても使うことができますよ」

ヨモギのオイルの作り方

■材料

・ヨモギ 250g

・白ごま油(焙煎なし) 300g

■作り方

①ホーロー鍋にごま油と刻んだキヨモギを入れ、中火にかけ30分ほど加熱する。

②①を布などで濾し、瓶に入れて冷やし、保存する。

身近な野草②イタリア料理では定番 タンポポ

「タンポポは間違いやすい毒草なんかもないですし、初心者でも身近に楽しめる植物としておすすめです。ノンカフェインコーヒーでよく使われたり、あとはイタリア料理ではサラダなどで欠かせない野菜なんですよ」

タンポポコーヒーゼリーの作り方

■材料(3人分)

・タンポポの根 大さじ3

・お湯 250cc

・粉ゼラチン 5g

・豆乳 適量

・オリゴ糖 適量

■作り方

①タンポポの根を洗ってかりかりになるまで乾燥させ、真っ黒になるまで炒る

②①とお湯(材料の分量外)をフィルターに入れてドリップし、タンポポコーヒーを作る

③タンポポコーヒーが80度くらいに冷めたら、粉ゼラチンをふりいれよく混ぜる

④あら熱をとったあと、容器に入れ、冷蔵庫で冷やす

⑤スプーンですくって器に盛り、お好みで豆乳やオリゴ糖をかけたら完成

身近な野草③リラックス効果のある香りのフジバカマ

「野草で生えているものではないのですが、とても育てやすく、家の庭で観察するのにおすすめなので紹介したいのが、秋の七草のひとつ、フジバカマ。うちにもわんさか生えていますよ。身近に見られるのは葉っぱの小さいコバノフジバカマという種類で、これが一般的にフジバカマとして紹介されるのですが、本当のフジバカマは草原に生えていてなかなか見つけられない珍しい植物です。美しいピンク色をしていて、生け花でも使われたりするんですよ。桜餅のような香りがするのも特徴です。その香りが筋肉の緊張をほぐしたりとリラックス効果があるので、ハーバルバスとしてお風呂で使うというのがおすすめですね。満開の桜の木の下にいるような気分になれますよ」

フジバカマのハーバルバスの作り方

■材料 (2~3人分)

・フジバカマ ひと掴み

・ネット 1つ

■作り方

①夏場の花が咲き始めの頃のフジバカマを根元から切り取る

②葉、茎、花を細かく刻む

③ネットに入れて湯舟に浮かべる

※直接湯舟に浮かべてもOK

身近な野草④栄養豊富な“野草界のマグロ”スベリヒユ

「スベリヒユは畑に良く生えている野草です。花がとてもかわいらしく、しかもとても枯れにくいんです。だから、スベリヒユを品種改良した“ポーチュラカ”は園芸で使われることも多いですね。それから魚にも多く含まれるオメガ3(不飽和脂肪酸)がハーブや野草の中でもっともあるといわれていて、僕は“野草界のマグロ”と呼んでいます。とてもおいしいですし、これからの季節は夏バテ防止にも良いですね」

スベリヒユのヨーグルトカレーの作り方

■材料 (2~3人分)

・スベリヒユ 適量

・鶏肉 300g

・プレーンヨーグルト 200g

・玉ねぎ 1個

☆おろしニンニク 小さじ1

☆ケチャップ 50g

☆カレー粉もしくはカレールウ 大さじ1もしくは1片

☆醤油 大さじ1

☆砂糖 大さじ1

☆バターもしくはマーガリン 大さじ1

☆お好みのスパイス 適量

■作り方

①鶏肉とヨーグルトをビニール袋に入れ、冷蔵庫で1日漬け込む

②玉ねぎをすりおろす

③鍋にすりおろした玉ねぎとスベリヒユと☆、①を入れ中火で10分ほど煮込む

身近な野草⑤長寿を象徴する野草 ツルマンネングサ

「なかなか枯れない、生命力のある野草です。日本ではあまりメジャーではないのですが、多肉植物で食べやすいので、中国では野菜のような感じで使われていますね。生命力や長寿を表す薬草としても使われているようです。日本だと河川敷やあぜ道に生えていることが多いですね」

ツルマンネングサのテリーヌの作り方

■材料

・ツルマンネングサ 適量

・ミニトマト 4個

・蒸し鶏 適量

・水 300cc

・チキンスープの素 1個

・粉寒天 小さじ1

■作り方

①ツルマンネングサをさっとした茹でし、冷水にさらす

②鍋に水と粉寒天、チキンスープの素を入れて火にかける

③型にトマト、ツルマンネングサ、鶏を並べて寒天液を入れ、冷やして切り分ける

おわりに

ハーブ王子こと山下智道さんに、野草観察の魅力と身近な野草を使った料理や小物のレシピを教えてもらいました。見慣れたように感じる野草でも、よくよく観察してみれば新しい発見があるはずです。遠出のできない今だからこそ、身近な旅にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

タグ: 旅色プラス

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