マツダ CX-30と1泊2日 “ものづくり” の旅

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マツダよりCX-30の「価値体験型取材会」へのお誘いをいただいた。テーマは『マツダ CX-30に乗って、「人生の拡がり」を体感する』こと。都内近郊で行なう試乗会とはまた違った、クルマがあるからこそ叶う自由な時間を体感できる機会にツンのめるほどの前のめりで参加、CX-30の「魅力」と「ものづくり」にどっぷりと浸る2日間を過ごしてまいりました! TEXT&PHOTO:生江 凪子(Naco NAMAE) PHOTO:Motor-Fan.jp

7月末、コロナ禍が収束する気配はあまりないものの、細心の注意のもとマツダ CX-30試乗会が行なわれました。

今回の「価値体験型取材会」は1泊2日で、クルマがあるからこそ体験できること、行かれる場所をメインとした試乗会。CX-30という相棒はいるものの、クルマが主役というよりも、クルマと過ごす時間を愉しむことにより重きが置かれているのだと理解し、参加しました。

実際に用意された3つのコースは、①【旧き良き宿場町と木工体験で歴史に思いを馳せる旅】②【爽やか高原ドライブと松本民芸】③【ワンちゃんと一緒に夏の思い出づくり】とやはり全コースにおいて公共交通機関利用ですべてを回ろうと考えるとなかなか躊躇する行程で、CX-30との旅の気持ちが盛り上がります。

我々Motor-Fan.jp編集部は、不器用なくせに体験モノが大好きなナコの独断で ①のコースを選択。道程は、横浜のマツダから長野県を目指す往復600km。相棒のCX-30は、往路はガソリンモデルのSKYACTIV-X 2.0、復路はディーゼルSKYACTIV-D 1.8の2台、ハンドルを握るチームメンバーはMotor-Fan.jp編集長のスズキ、MotorFan illustrated編集長のチャナ、そして編集部員のナコの3名です。

2019年にデビューしたCX-30、その走りや詳細についてはMF.jpに詳しいのでそちらを参照いただくとして、今回はCX-30のオーナー気分で旅写真日記をお伝えします。あ、今回の旅には大いなる裏目的「実家のCX-5を30に買い換えるか否か」があることも追記しておきます(実家は初代CX-5のディーゼル。すでに5年間、大満足で生活をともにしてます)。

ランチ目指してレッツゴー!

試乗会当日は横浜にあるマツダR&Dセンターを出発し、まずはお昼の会場である信州木曽ふるさと体験館を目指します。ふるさと体験館でそば打ち体験をし、自分で打ったそばがランチになる、となれば遅れて喰いっぱぐれたら大変! 貸し出し時間の一番早い7時ぴったりに集合して出発することにいたしました。残念ながらコロナが再び猛威をふるい始め、そば打ち体験からそば切り体験となってしまいましたが、ランチにありつく前にひと仕事あることには変わりありません。サクサク進行し長野は木曽郡を目指します。

往路の試乗車はスカイアクティブX! (ワタクシ、初試乗です)すぐに運転席を乗っ取りたかったのですが、私のヘタレ運転ではお昼にありつけない可能性があるためチャナにハンドルをたくします。隙あらば後席でヨダレを垂らして寝てやろうと思っていたのですが、久しぶりの遠出の取材、なにやらうれしくて眠れませんでした(もちろん、記事を書かねばならないため寝ている場合ではないのですが、じつは寝る気満々だったことは否定しません)。

道中の後席試乗で気になったのは、路面状況の悪い場所での静粛性がよくないことでしょうか。前席では気にならない音が後席では気になりました。一般道ではそこまで気にならなかったものの、高速では(前席がスズキとチャナの声の小さいボソボソコンビだったことを差し引いても)会話明瞭性は少々低いかなと感じました。では居住性はというと、このサイズとしてはなかなかによく、164センチの私が座っても窮屈に感じることもありませんでした。オトナの4名乗車の長距離移動も問題なしです。

人生初のそば切り体験

ほぼオンタイムの11時半、ふるさと体験館きそふくしまへ到着。きそふくしまの体験棟の建物は廃校となった旧黒川小学校が使われています。黒川小学校は昭和3年(1928年)に地元の方々からの木材提供によって建てられ、平成9年(96年)に廃校になるまで地域の中心的存在の建物だったそう。廃校になってからも学校の校舎を残したいという地元の熱意で大切に手入れをされ続け、平成14年(02年)に「ふるさと体験館きそふくしま」の体験棟として再出発をしたのです。校舎は味わい深く、その木を見れば丁寧に扱われてきたことがよくわかります。

そんな校舎にて、まずは昼食となるそばを作ります。残念ながら8月8日から体験の予約を一時休止中ですが(21日より条件つきにて受付開始予定)、きそふくしま体験館では「そば打ち」「五平餅づくり」「ひのき箸づくり」「豆腐づくり」「おやきづくり」「はた織り」や「草木染め」などさまざまな体験をすることができます。

地元・木曽町産100%の風味のよい石臼挽きそば粉を使ったそば打ちができるそば打ち体験、今回は「たたみ」まで済んでいるそばを切り茹でるだけの体験でしたが、通常は打つところから体験ができます。私は、そば切りだけでとても貴重な初体験ができたと感動(むしろ打つところから体験していたら、失敗して食べ損ねた可能性のほうが高いです)しました。

ハイッ「たたみ」ってなんぞや、と思われましたよね。ご説明します。そば打ちは、10行程。①材料を揃えふるいにかけ→②分量の水を数回にわけ投入し水分が全体に染み込むまで混ぜる(水回し)→③粘りが出るまでこねる(2~300回繰り返す)→④こねた生地を空気を抜きながらまるめる→⑤手で直径20センチほどにのばし、さらに綿棒を使って40センチほどにのばしていく(丸出し)→⑥のばした生地に粉をふり、四角くなるように4方向から中心に向かってのばしていく(四つ出し)→⑦四つ出しした生地を長方形になるように横半分にたたみ、さらにそれを三つ折りにする→⑧細く切る→⑨茹でる→⑩洗うとなります。 今回は⑦のたたみまで済んでいたので、⑧の切るところからでした。

お昼を堪能し、次はものづくりの体験へと移ります。と……その前に、なにやらピタ○ラスイッチ的なものを発見。階段が段差を利用した木の球を転がす遊び場に。2階から球を転がすと、下までコロコロ。完全な球形ではなく、なかなかスピードが出るため、半分くらいは途中で跳ねてコースアウトしてしまいましたが、そんなところも含めて楽しい!

ものに生命を吹き込む瞬間、を体感

マツダはものづくりに真面目な会社だということは広く認識されていることでしょう。マツダがイベントごとでブースを出すときには、たいがい「ものづくり体験」の場も設けられています(ご存知のかたも多いかもしれませんね)。その体験はステッカーを作ったり、砂型を組み立てたり、バッヂを作ったりとさまざまですが、共通することは「マツダのものづくりのDNAである、ものに生命を吹き込む瞬間」が体験できること。

今回の試乗会もその体験ができるもので、ランチのそば打ちだけでなく、もうひとつ記念になる「ものづくり体験」が用意されていました。それは、バターナイフ製作体験。

CX-30でタイムスリップ!

お昼を食べて、ものづくり体験を満喫したのちは、旧中山道・奈良井宿へ。電車では東京(新宿)からJR中央本線の乗り継ぎで3時間超え、やっぱりクルマで訪れたい!

さて、奈良井宿について少し知識を入れておきましょう……奈良井宿は、中山道木曽路十一宿のうち、北から2番目の難所・鳥居峠上り口にある鎮神社を京都側の端に、奈良井川沿いを緩やかに下りつつ約1kmにわたって街並みを形成する、日本最長の宿場街です。

かつては街道を行き交う旅人で栄え、そのさまは「奈良井千軒」と謳われた木曽路一番の賑わいだったとか。旅籠の軒灯、千本格子など江戸時代の面影を色濃く残し、時代を超えた風格をいまでも感じることができる場所なのです。

身近な歴史的資産の再確認と継承・維持を目的にした官民学連携による街並みの保存運動が始まったのは昭和43年のこと。その後、国の伝統的建造物群保存地区制度を受けて刊行された「町並み保存対策調査報告書」に基づいて保存条例(保存計画)が施行され、昭和53年に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定され、いまに至ります。

ちなみに、子どもの頃に遊び唄として口ずさんだことがある人も多いでしょう、アノ唄、「ずいずいずっころば~し ごまみそずい♪」発祥の地なのです。知らなかった……(あ、その詳細は公式HPにて。文末にリンクを添付しております)。

お唄の豆知識は置いておいて、今回は特別に許可をいただき撮影をさせていただくことができました。あいにくの雨降りでしたが、そんな天気でもどこもかしこも絵になる(むしろしっとりした感じがとてもいい)。

小雨降る奈良井宿を走るCX-30、その街並みに溶け込んでかっこいいんですよ! 江戸時代に走っていても、この横を紋付袴で脇差姿の浪人や着物姿のお嬢さんが歩いていても違和感ないのでは? と錯覚するくらい(言い過ぎかな?)。

奈良井宿の見学が終わると本日の宿・松本を目指します。ここからはナコの運転。むふふ、皆さ~ん、心構えオッケーですか~? しっかりシートベルトしてくださいね~。 マツダ車は、なんといってもどのモデルに乗っても、ドライビングポジションがスッと自然に取れることが大きな魅力。それはもちろんCX-30でも健在です。

朝からもりもりもり沢山の1日目は松本城へのお散歩で無事に終了(本当は観光スポットでもある縄手通りに足を延ばしたかったのですが、眠すぎて断念)。2日目はクルマをSKYACTIV-Dに乗り換え東京へ戻ります。

ご縁をいただき叶った工房見学

2日目は民藝運動を牽引してきた池田三四郎氏の創設した「松本民芸家具」の工房を特別に見学するご縁をいただきました(工房は一般見学の受付をしておりません)。

松本民芸家具って? と思われるかたも、その代表的家具であるウインザーチェア(44A型)を見ると、ああ、となるかもしれないですね。また、インダストリアルデザイナーの柳宗理(SORI YANAGI)と聞いて「お!」と思うかたもいるでしょうか(キッチンツールも多くデザインしているので女性に多いかしら)。池田氏と一緒に民藝運動の指導者として活躍してきた柳宗悦氏は宗理氏のお父様です。

松本市内の一画に非常に古く味わい深い建物、松本民芸家具の工房があります。お仕事中にお邪魔して、いろいろとお話を訊くことができました。

家具は何十年も(もしかしたら自分よりも)長く使われるもので、修理の依頼も多いのだとか。もちろん組み上げた職人さんが在籍していれば、自分で修理を請け負うが、何十年と使い込まれたときには職人さんが在籍していないことももちろんある。裏の銘で誰の仕事かが一目瞭然なため、その際には、弟子がその任を引き継くことになる。修理はすべてバラしてから再度組み立てるということで、その銘には後輩や自分の弟子に恥ずかしい姿は見せられない、というプライド的な意味合いもあるのだとか。 見学をしているときに、誰かが発した「ワンマン・ワンエンジンだね」という言葉に一同「だねぇ~」と深く納得。クルマ業界ならではの脳内満場一致の瞬間があったことが、とても楽しかった。

また、職人の皆さんの使う道具のひとつである「かんな」は、すべてオリジナル。仕事を始めてすぐは道具が揃っていないため、まずは親方のものを使わせてもらう、使用後に返すと「研いでから返せ」と言われる。だが、頑張って何時間もかけて研いで親方に差し出しても「全然ダメだ」と言われ、その場で親方がチャチャっと研いだ、完璧に整った刃先を見せられるのだという。

弟子入りしてすぐの仕事は、親方のかんなを研ぐことから。

その親方の研ぎ仕事を覚えるところからが職人仕事の勉強。そして仕事を覚えていくと同時に、自分の手の延長ともいえる道具がどんどん増えていくのです。

松本民芸家具は工業製品ではなく「工芸」、「作り上がったところが完成ではなく、いったんの完了をむかえるだけ、何十年と使い込まれて輝きがましたときが完成のとき」と長期の使用を考えて作られています。かたや、クルマはというと、残念ながら長期間大切に乗るほどに税金がかかってしまい、なかなか古いクルマを所持し続けることは難しくなっているのが現状です。

そういう意味では松本民芸家具とマツダは作っているものの性質が異なっています。ですが……。

ブランド価値を象徴する「100-1=0」

「クルマ100台のうち、1台でも不良があればすべて無に帰す。なぜなら、お客さまにとってその1台は100分の1ではなく、唯一無二の1台だから」というもので、お客さまの1台に100%の品質を目指す強い思いが込められた言葉です。

性質が異なるマツダと松本民芸家具ですが、見学を通じて、ひとつひとつに手を抜かず、真剣に向き合うことという「ものづくりに対する真摯な姿勢」という共通点があると感じました。異なっているようで同じ。どちらもとても好感が持てました。

さて、アタマ横浜へ向けます!

松本民芸家具の工房の見学が終了したのちは、諏訪湖畔でランチ、ビーナスラインを経由して横浜のマツダを目指します。 ディーゼルはXのじわーっと、そしてねっとりと加速する乗り味とは違い、少し踏むとディーゼル特有のトルキーさを体感できる。ディーゼルの乗り味に慣れていることもあり、こちらは実家のCX-5をドライブしている感覚がそのままスライドです。

裏目的! 実家愛車CX-5をCX-30に?

冒頭にも触れさせていただきましたが、ナコの実家愛車はマツダCX-5(ディーゼル)。大変個人的な話を持ち出し恐縮ですが、今回の旅には「実家の愛車を5からCX-30に変えることは是か非か」という大いなる裏目的もありました。

そしてその結論は、「是」(ただし、ディーゼル)。Xは、とてもいい。とてもいいのですが、もう高齢の両親には間違いなく猫に小判となると考えると、やはりいまと同じくディーゼルがいいという結論に至りました。サイズはもちろん小さくなるがCX-30の室内空間は広く感じるため、違和感はなさそう、もちろん乗り味も同じく。

そんなわけで、次回帰省時に営業マンよろしくカタログを持って家族会議に臨むつもりです。

ビリッケツ、でも一番愉しみました(自慢にならない)!

「返却ですが、20時くらいまでにお戻りください」と広報のかたからお昼に言われておりました。もちろん覚えておりましたとも。

最後の最後まで満喫しなくては! といま何時? そうねだいたいね~♪ などと、いまやもう恥ずかしいギャグを口にしながら海老名のサービスエリアに到着したのは19時。

海老名を出てからは、さすがに焦りながら走行し、19時58分、横浜のマツダR&Dセンターへ到着。もちろん、ビリ。「そろそろお電話をしようかと……」と笑われてしまうオチがついてしまいました。関係者の皆さま、遅くまでお待たせし、申し訳ありませんでした。

クルマは時間に縛られず、フルに使い、いろんな場所へ行き愉しむことができるもの。「自動車は自動で動くクルマではなく、自分で動かすクルマ」の意、ということをこの2日間で痛感。寄り道しようが道に迷おうが、荷物が重かろうがなんのその! なのだから。

願わくば、そのクルマは自分の意を汲んでしっかりと走ってくれる、そして、デザインの優れたものがいい。

そう、マツダのCX-30のようにね……。

マツダCX-30 X Lパッケージ(2WD)

全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm

ホイールベース:2655mm

車両重量:1490kg

エンジン形式:直列4気筒DOHC

総排気量:1997cc

エンジン最高出力:132kW(180ps)/6000rpm

エンジン最大トルク:224Nm/3000rpm

モーター最高出力:4.8kW(6.5ps)/1000rpm

モーター最大トルク:61Nm/100rpm

トランスミッション:6速AT

タイヤサイズ:215/55R18 95H

乗車定員:5名

燃料:無鉛プレミアム(51ℓ)

WLTCモード燃費:16.8km/L

市街地モード燃費:13.7km/L

郊外モード燃費:17.2km/L

高速道路モード燃費:18.3km/L

車両本体価格:353万2100円

試乗車価格(オプション込):374万5480円

マツダCX-30 XD Lパッケージ(4WD)

全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm

ホイールベース:2655mm

車両重量:1530kg

エンジン形式:直列4気筒DOHC

総排気量:1756cc

エンジン最高出力:85kW(116ps)/4000rpm

エンジン最大トルク:270Nm/1600-2600rpm

トランスミッション:6速AT

タイヤサイズ:215/55R18 95H

乗車定員:5名

燃料:軽油(48ℓ)

WLTCモード燃費:18.4km/L

市街地モード燃費:15.5km/L

郊外モード燃費:18.5km/L

高速道路モード燃費:20.0km/L

車両本体価格:353万2100円

試乗車価格(オプション込):374万5480円

apparel|tops:ENFÖLD|någonstans/pants:BANANA REPUBLIC|MOTHER/shoes:New Balance/bag:GHERARDINI|State of Escape

コロナ禍収束の目処がなかなか立たないなか、7月には多くのメーカーが感染予防を徹底しつつ試乗会を再開し始めました。いま、すべてのメーカーは例年と同じような試乗会・発表会の開催ができず、試行錯誤しながらも徐々に私たち(メディア)へ取材機会を提供してくださっています。メーカー(そして開催に当たっての関係者)の皆さまのお力でこうして記事を掲載することができることに、心から御礼を申し上げます。もちろん参加者側としても感染予防を徹底して取材にあたらせていただいております。文中使用写真においてはマスクを外しておりますが、撮影時のみであることをご了承ください。

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