暗闇を歩くことは、なぜ魂に良いのか!? 理由が判明… 今後注目の「ナイトウォーク」すでに海外では実践している!

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何かと“夜の街”に繰り出すことが問題視されている昨今だが、夜に出歩くことがおしなべて悪いというわけではないはずだ。ある人々に言わせれば、夜の散策は至福のひと時だというのだが……。

■夜の自然散策は周囲の環境に“溶け込む”体験

快晴に恵まれた秋空の下で自然散策するのは、この時期の休日の過ごし方として実に有意義であるともいえるが、イギリスのサウスダウンズ国立公園では夜の散策ツアーが開催され好評を博しているという。風光明媚な景観を満喫できるとは言い難い夜間散策ツアーのどこに魅力があるのか。

「人類の歴史の大部分において、人は土地と密接に接触して暮らしていました」と、ツアーガイドであるナイジェル・バーマン氏は語る。バーマン氏の会社「School of the Wild」は、サウスダウンズでガイド付きナイトウォークを企画しているのだ。

「過去数百年の間に、私たちは自然環境に溶け込んできました。夜の散歩は(この時代の人類に)再び戻るための強制的な方法です。視力が低下すると、他の感覚が研ぎ澄まされます」(ナイジェル・バーマン氏)

日中の自然散策は自然の素晴らしさが強調されてくるのだが、夜の自然散策は周囲の環境に“溶け込む”体験になるという。自然が観賞の対象ではなくなり、自身と一体化する体験となるのだ。

一般的に我々の持つ“暗闇”のイメージは、恐怖と重苦しさが漂うものである。そうであるからこそ、現代社会は宵闇を“ネオン街”に変えてしまいがちであるともいえる。

しかし、北欧など冬の間に長い夜が続く地域では、住民は夏を切望することよりも、暗闇を受け入れることに頭を切り替える。冬の数カ月間、陽の目を見ることのない北極圏や北欧での暮らしだが、たとえばノルウェー人は当たり前のように頭にヘッドランプをつけて自然を散策しているという。

そして現在の“コロナ禍”の中、人が少ない夜間になるべく人とは会わずに自然を散策することは、心身の健康を保つためにも注目されるべきアウトドア・アクティビティであるということだ。

身の安全のための準備と装備を怠らないようにしたいが、何かとストレスの多いコロナ禍の暮らしにあって、夜の散策を楽しんでみてもいいのかもしれない。

■明るくなくとも均一に照らされた街灯に安心感

都会に住む者にとって自然散策はそう簡単にできるものではないが、それでも夜間は繁華街を除けば日中よりも人通りはめっきり減ってくるので、実は散歩には適しているとも言える。

しかし、街中での夜の散歩で懸念されるのは身の安全についてであろう。そこで散歩コースの街灯の状況を考慮する必要が生じてくるが、街灯が多く明るいほど夜の路上での犯罪率が減るかといえば、これまでの研究では単純にそうとも決めつけられないようである。

街灯の多さが地域の犯罪率に影響を与える場合もあれば、直接の関係がないケースもあるということだが、1つだけ確かなのは、街灯が明るいほど夜間の歩行者はより安心感を抱くことができるという点だ。明るい街灯は、地域住民の夜間の歩行距離を伸ばし、夜間に出歩く人を増やすとともに、社会的孤立を減らし、心身の健康を改善し、コミュニティのプライドを高めるということだ。

イギリス・シェフィールド大学の研究チームが2018年5月に学術誌「Lighting Research & Technology」で発表した論文では、夜間と日中の住宅街において人々が抱く安心感の違いが調査されている。

実験参加者はシェフィールドのいくつかの街路を日中と夜間に歩き、歩行時の安全性をそれぞれ評価した。回答を分析した結果、ある意味で予想通りであるが、日中と夜の明るさのギャップが少ない通り、つまり街灯が明るい通りほど安全性が高く評価された。

街灯の照明の状態についても詳しく検証され、通りごとの平均照度(街路表面に当たる光の量)と均一性(照明がどれだけ均一に広がっているか)のデータも参照された。分析の結果は興味深く、明るくとも明暗にむらがある通りよりも、たとえそれほどの光量がなかったにしても、なるべく道路がまんべんなく均一に照らされている通りのほうが安全性が高いと感じられる傾向も浮き彫りになったのだ。

最近は街灯も順次LEDに換装され、低コストで夜も明るい通りができていることに加え、監視カメラも随所に設置され犯罪抑止に大きな効力を発揮している。もちろん身の安全への配慮は欠かすことはできないが、少なくともこれまで以上に“夜の散歩”が楽しみやすくなっていると言えそうだ。

参考:「The Guardian」、「City Monitor」、ほか

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