ボイジャー2号からお返事キター!太陽圏を離脱して通信が途絶えていたが7か月ぶりに交信に成功(NASA)

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ボイジャー2号のミッション

977年に打ち上げられたボイジャー2号はこれまで数々の功績を残してきた。その主な任務は太陽系の外惑星系を探査することだ。

1979年に木星、1981年に土星、1986年に天王星を訪問した後の1989年10月2日の海王星探査に伴って一旦任務は終了し、2018年11月5日に太陽圏(ヘリオスフィア)を離脱して恒星間空間に達した。

また、ボイジャー2号には地球外生命体に遭遇した時、地球の文化を伝えるための「ボイジャーのゴールデンレコード」が搭載されている。異星人と地球人をつなぐ使者としての役割もあるのだ。

ボイジャーのゴールデンレコードのジャケット image by:public domain/wikimedia

太陽圏から離脱したボイジャー2号は、現在およそ180億キロの彼方を旅しており、人工物としてはもっとも地球から離れたところにある。

ボイジャー2号と7か月ぶりの通信に成功

それほどの遠方にある機体と交信するために、NASAは「ディープスペースネットワーク(DSN)」という通信システムを利用しているのだが、DSNの老朽化したアンテナをメンテナンスするために、3月半ばからボイジャー2号との通信ができなくなっていた。

これはDSNの事情によるもので、地球から信号を送れない状態が続いていたのだが、あまりにも遠い場所にいるだけに、その安否が心配されていた。

しかしメンテ作業に一段落つき、10月29日に地上のクルーが呼びかけたところ、ボイジャー2号から元気な返事が返ってきたとのことだ。

DSNが導入されたのは、1958年にNASA初となる人工衛星「エクスプローラー1号」が打ち上げられたときだ。それ以来、アメリカ、オーストラリア、スペインへと施設を拡大させながら、70年以上にもわたって365日24時間体制で日々30機の宇宙船と交信してきた。

このようにDSNは実績のあるシステムだが、いかんせん古い。目下、NASAは月や火星を目的地としたミッションを進めている。そのためにDSNのシステムを刷新する必要があったという。

そこで白羽の矢が立てられたのが、オーストラリアの首都キャンベラにある直径40メートル、20階建の建物に相当する巨大パラボラアンテナ「Dss43」だ。

巨大パラボラアンテナ「Dss43」image by:CSIRO

48年間も稼働し続けてきたDss43だが、送信器など、一度も改修されたことのない部品もあった。今後数十年に行われる宇宙ミッションでしっかりと働いてもらうために、加熱・冷却装置、電源供給ユニット、電装品など、各パーツに大幅なアップグレードが施さねばならなかった。

「この作業がすごいのは、アンテナのどの部分にも手が加えられているところです。地上階の基礎からアンテナ中央に突き出したフィードコーンまで全部ね」と、NASAジェット推進研究所のブラッド・アーノルド氏は語る。

ボイジャー2号との交信は、改修されたDss43の試運転として行われたものだ。通信試験では、ボイジャー2号へ向けて7か月ぶりにコマンドを送信。きちんと受信され、実行されたとのこと。こうした結果を見る限り、アップグレードは順調に進んでいるようだ。

BIG DAY for the BIG DISH #DSS43

Installation of the new X-band cone in the centre of the antenna dish - Deep Space Station 43️ pic.twitter.com/nFg8zf58tJ

— CanberraDSN (@CanberraDSN) May 7, 2020

ボイジャー2号の孤独な旅は続く

生憎なことに、2号はもうしばらく孤独な旅を続けねばならないようだ。Dss43の本格的な稼働は2021年2月の予定で、それまでは通信がまたも途絶してしまうのだ。

早め早めのメンテナンスが大切なことだとはいえ、ボイジャー2号と交信できないのはNASAの専門家にとって気がかりなことであるそうだ。

「1年もアンテナが使えないのはボイジャーや他のミッションにとって嬉しい状況ではありません」と、NASA宇宙通信ナビゲーション・プログラムのフィリップ・ボールドウィン氏は話す。

今年1月にはボイジャー2号に搭載されている機器が突然シャットダウンするというトラブルに見舞われ、技術者が徹夜で復旧にあたるということがあった。

ボイジャー2号は地球から非常に遠く離れた宇宙を飛行しているために、こちらからコマンドを送信しても、それが機体に到達するまでには17時間もかかる。もし通信システム自体が途絶していたら、機体に何らかのトラブルが発生していたとしても、それは見過ごされてしまう。

だがメンテナンスは今後の野心的なミッションを見据えての決断だ。首尾よく完了すれば、安心して新たな宇宙の冒険に出ることができる。来年2月、ボイジャー2号が元気に返事をしてくれることを祈ろう。

What Did Voyager 2 See During its Journey Out Of The Solar System? 1977-2019 (4k UHD)

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