定年60代、みんな貯金2000万円は本当か

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昨年話題になった2,000万円問題。自分の貯金で老後を無事に過ごすことができるのか、不安に思う方が増えています。

特に、定年を間近に控える60代にとっては切実な問題です。若い世代と比較すると、資産を多く保有していると言われますが、実際はどうなのでしょうか。

本日は、定年前後の60代が貯金をいくら保有しているのかについて、最新のデータを元に、見ていきます。

59歳までの平均貯金額は?

家計に関するデータは、厚生労働省や総務省などが発表するデータで確認することができます。

今回は、総務省統計局が発表する「家計調査(貯蓄・負債編)調査結果」より、2020年10月30日に公表された4~6月期平均結果を元に見ていきます。

下記は、上記の資料より、「世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(2人以上世帯)」から、各年齢帯の平均貯蓄額を示したものです。

全年齢階級の平均貯蓄額・・・1,748万円

〈内訳〉

  • ~29歳・・・361万円
  • 30~39歳・・・729万円
  • 40~49歳・・・1,101万円
  • 50~59歳・・・1,678万円

一見すると、順調に貯金額を伸ばしているように見えます。平均の貯金額のとおりに、貯金が増えていけば、老後2,000万円問題もなんとかクリアできそうです。

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参考記事

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ただ、この平均額は、資産の多い方も含まれますので、平均額の値は大きくなりがちです。

実際の感覚に近い数値としては、「平均」ではなく、「中央値」があります。参考にしてみるのもいいかもしれません。

60代の平均貯金額は?

それでは、60代の平均貯蓄額を見ていきましょう。参考として、70歳以降もご覧ください。

  • 60~69歳の平均貯蓄額・・・2,313万円
  • 70歳以降の平均貯蓄額・・・2,189万円

いずれも2,000万円を超える結果となりました。退職金の支給や子育てが一段落した後の貯金期間を経て、50代の平均より700万円近く貯蓄が増えています。

ちなみに、こちらの統計では「~59歳」、「60歳~」での平均貯蓄額を計算しています。下記をご覧ください。

  • 「~59歳」の平均貯蓄額・・・1,187万円
  • 「60歳~」の平均貯蓄額・・・2,240万円

前項で全世帯の平均貯蓄額が1,748万円と伝えましたが、60代以降を除いた、59歳までの世代で平均を取ると、平均貯蓄額が約600万も下振れします。

つまり、60代以降世帯の貯金が多いため、全体の平均額が上昇しているとも言えます。

定年を迎える60代が全年代でいちばん貯金を保有しているのは間違いなさそうです。

60代の負債は?

一方、定年間近の60代の負債の状況はどうなっているのでしょうか。各世代の負債の状況を見ていきましょう。

全年齢階級の平均負債額・・・590万円

  • ~29歳・・・710万円
  • 30~39歳・・・1,304万円
  • 40~49歳・・・1,275万円
  • 50~59歳・・・770万円
  • 60~69歳・・・208万円
  • 70歳~・・・102万円

前項の貯蓄平均額と比較すると、49歳までの世代は負債が貯蓄を上回り、50歳台以降でようやく貯蓄が上回る結果となっています。

これは、若いうちに住宅を購入し、50歳台でローンを払い終える、あるいは退職金等で一括返済する世帯が多いことを示しています。

実際、59歳までの場合、負債の約9割以上が「住宅・土地のための負債」となっています。

住宅ローンは家計の大きな負担となりますので、できるだけ、定年までに返済したいという意識の現れかもしれません。

2,000万円あれば、大丈夫か?

定年前後の60代の貯金額が多く、負債を減らそうと努力していることがわかりました。老後生活の備えをしているためと言えるでしょう。

サラリーマンの場合、60代以降は社内でのポジションが変化するため、収入が減る場合があります。

そのため、60代の貯蓄は60代までに、いかに資産を増やし、負債を減らしておくかに懸かっていると言っても良いでしょう。

ただ、「2,000万円」だけ貯金しておけば安泰かと言えば、そうとも言えません。

例えば、介護や住居の費用は「2,000万円問題」では、議論されていません。2,000万円にプラスして、自分で用意する必要があるのです。

介護費用に関しては、有料老人ホームに入居した場合、入居費用が必要な施設ですと、数百万円の費用が必要です。プラスして毎月の費用がかかります。

老後の住まいが賃貸の場合、家賃が必要です。地域によって、家賃の相場は変わりますが、仮に月6万円の家賃で、20年間住むとすれば、費用の総額は1,440万円になります。

家賃や介護の問題は各世帯によって異なりますが、これらの費用を月々の年金や今までの貯金から捻出することになります。

2,000万円と言わず、できるならば、3,000万円や4,000万円程度の貯金を目指し、準備しておくのが、安心かもしれません。

まとめにかえて

総務省の資料では、60代の平均貯蓄額は2,313万円でした。

多くの60代の世帯が2,000万円程度の資産を保有しているのは、間違いなさそうです。資産的に恵まれている世代と言えるでしょう。

しかしながら、この資産は60代で急に増えたものではありません。退職金の支給は、それまでの勤務の成果でもありますし、豊富な資産は長年の貯金の成果でもあります。

若いうちから、老後生活を見据えて、お金の増やし方を考えておくことは、貯金を増やす上でも大切なことです。具体的な資産形成プランを考え、実行することが重要です。

参考資料

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