「脳は77%が水、宇宙は72%がダークエネルギー」脳と宇宙に構造的共通点が複数発見される!

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宇宙では、全くスケールが異なる存在に類似した構造が現れることがある。例えば、渦巻銀河と巻貝に現れるらせん模様、雷と静脈が描くフラクタル構造などだ。実は宇宙と脳にも構造的な共通点があるという。科学ニュースメディア「Science Alert」(11月17日付)が報じた。

・Study Maps The Odd Structural Similarities Between The Human Brain And The Universe (Science Alert)

銀河にはクラスターやフィラメントと呼ばれる、実に数億光年にもわたる巨大構造が存在することがわかってきている。だが、その複雑で巨大な構造を可視化した画像を見ると、それは驚くほど脳の神経ネットワークに似ているのだ。

脳と宇宙では、その大きさを単純に計算したとしても27桁異なるという。スケールが異なり過ぎる2つの構造物であるが、伊ボローニャ大学の天体物理学者フランコ・バッツァ氏と伊ヴェローナ大学の脳神経外科医アルベルト・フェレッティは、その構造的な類似点が単なる見せかけに過ぎないのかどうか、検証してみることにした。

今月16日に専門誌「Frontiers in Physics」に掲載された論文によると、脳と宇宙ではその構造を作り上げている物理的プロセスは非常に異なっているものの、同様のレベルで複雑化し、自己組織化している可能性があるという。

研究の最初のステップは、脳と宇宙にどれだけの共通点があるかを探すことだった。共通点は次々見つかった。

1.人間の小脳には約690億個のニューロンがあり、宇宙には観測可能な範囲に1000億個以上の銀河が存在する。

2.個々のニューロンがリンクを作ってネットワークを構成しているように、銀河もフィラメントを介して互いに接続されている。

3.ニューロン間、銀河間でやりとりされている情報やエネルギーは、システム全体の総質量、総エネルギー量の25%である。

4.脳は約77%が水だが、宇宙の約72%はダークエネルギーであった。

などなどだ。

共通点を洗い出した次のステップは、画像に基づいた2つの構造の定量的な比較だ。小脳のスライス標本を様々な倍率で撮影し、宇宙のネットワーク構造をシミュレーションしたものと比べたのだ。

2つの構造は、そのスケールが圧倒的に異なるにもかかわらず、物質密度の分布や各ノード(個々のニューロンや銀河)に接続されたリンクの数など、様々な共通点を持つことが判明した。また、どちらの構造も中央となるノードの周辺にクラスターを作る傾向があった。

さらに興味深いことは、その「記憶容量」までもが似ていたということだ。ある研究によると、人間の脳の記憶容量は約2.5ペタバイトで、宇宙の複雑さを記録するために必要な記憶容量は約4.3ペタバイトだという。大きさで言えば27桁も違う脳と宇宙であるが、人間の脳と同じくらいの記憶容量を持つコンピュータさえあれば、宇宙の複雑さをシミュレートできるということになる。

バッツァ氏は、脳と宇宙は全く別物であるものの、同様のプロセスや法則に従って成長している可能性があると指摘する。専門家をも驚かせた脳と宇宙の不思議な共通点であるが、その謎の解明はようやくスタートラインに立ったばかりである。今後の研究の進展で一体どんな秘密が明かされるか、続報が待たれるところだ。

参考:「Science Alert」「Frontiers in Physics」ほか

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