年収500万円世帯の貯金は本当はいくらか

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Aleksei Morozov/iStock

2021年になり、早くも半月が過ぎようとしています。

昨年末、SNS上では、「#普通の男性」「#年収500万円」というハッシュタグをつけた様々な意見がつぶやかれました。婚活女性が定義する普通の男性像が、物議をかもしていたのは記憶に新しいところです。

私は国内の大手生命保険会社の勤務経験を経て、フィナンシャルプランナーとして1000世帯以上のお客様のフィナンシャル・プランニングに携わってきました。

今回は、この物議をかもした年収500万円の人がどれくらいいるか、年収500万円世帯の貯金額や特徴について、みていきたいと思います。

年収500万円の給与所得者は何割いるのか

近年、男女ともに晩婚化といわれ、未婚率が上昇しています。バリバリ働いて、独身の自由を謳歌しているという方も少なくないかと思います。

それでは、国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査」から、男女別の給与分布を確認してみましょう。

給与階級別分布-男性-

  • 100万円以下:115万2000人(3.8%)
  • 100万円超200万円以下:217万4000人(7.2%)
  • 200万円超300万円以下:331万4000人(10.9%)
  • 300万円超400万円以下:501万7000人(16.6%)
  • 400万円超500万円以下:531万9000人(17.5%)
  • 500万円超600万円以下:409万6000人(13.5%)
  • 600万円超700万円以下:273万6000人(9.0%)
  • 700万円超800万円以下:194万9000人(6.4%)
  • 800万円超900万円以下:136万5000人(4.5%)
  • 900万円超1000万円以下:90万8000人(3.0%)
  • 1000万円超1500万円以下:166万1000人(5.5%)
  • 1500万円超2000万円以下:38万3000人(1.3%)
  • 2000万円超2500万円以下:11万2000人(0.4%)
  • 2500万円超:13万6000人(0.4%)
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給与階級別分布-女性-

  • 100万円以下:341万6000人(15.4%)
  • 100万円超200万円以下:525万8000人(23.7%)
  • 200万円超300万円以下:452万3000人(20.3%)
  • 300万円超400万円以下:389万人(17.5%)
  • 400万円超500万円以下:233万3000人(10.5%)
  • 500万円超600万円以下:123万2000人(5.5%)
  • 600万円超700万円以下:66万人(3.0%)
  • 700万円超800万円以下:36万6000人(1.6%)
  • 800万円超900万円以下:17万7000人(0.8%)
  • 900万円超1000万円以下:10万3000人(0.5%)
  • 1000万円超1500万円以下:18万9000人(0.8%)
  • 1500万円超2000万円以下:5万4000人(0.2%)
  • 2000万円超2500万円以下:1万2000人(0.1%)
  • 2500万円超:1万5000人(0.1%)

年収500万円(ここでは年収500万円超600万円以下)を得ている給与所得者は、男性で13.5%、女性が5.5%となっています。

年収500万円台の男性は約1割ほどですので、普通と言えるかは判断が分かれるところです。

また、女性の社会進出が進んでいるとはいえ、男女の年収においては、まだまだ開きがあるのが現実のようです。

年収500万円世帯の貯金はいくらか

つぎに、総務省 「2020年4~6月家計調査報告(貯蓄・負債編)二人以上の世帯のうち勤労者世帯」の調査結果をみてみましょう。

年収500万円台の勤労者世帯の貯蓄額と負債の金額については、意外な事実が見えてきました。

年収500~550万円

  • 世帯主の平均年齢:48.0歳
  • 平均年収:523万円
  • 平均貯蓄額:839万円
  • 平均負債額:721万円

(負債の内訳)

住宅・土地購入のため:686万円

住宅・土地以外の負債:13万円

年収550~600万円

  • 世帯主の平均年齢:48.9歳
  • 平均年収:571万円
  • 平均貯蓄額:1010万円
  • 平均負債額:820万円

(負債の内訳)

住宅・土地購入のため:755万円

住宅・土地以外の負債:52万円

貯蓄額には、預貯金の他、生命保険や有価証券も含めた金額となっています。

この調査で意外なのは、それぞれの年収帯の負債額です。

貯金額に関しては、平均年収に連動し500~550万円世帯よりも、550~600万円世帯のほうが順当に多くなっています。

しかし負債額においては、住宅・土地「以外」の負債額をみると、年収が高いはずの550~600万円世帯が上回っています。

こどもの教育費・進学費、日ごろの付き合いをふくめた生活水準とのバランス等、考えられる要因はありますが、「年収が高い=負債もない」わけではないことが分かります。

年収500万円世帯は共働き率が高い

つづいて、先ほどと同じ資料から、各収入階層別に共働きである割合をみてみましょう。

世帯主の配偶者のうち女性の有業率

  • 200万円未満:18.5%
  • 200~250万円:7.9%
  • 250~300万円:13.8%
  • 300~350万円:32.0%
  • 350~400万円:36.9%
  • 400~450万円:36.0%
  • 450~500万円:50.7%
  • 500~550万円:52.2%
  • 550~600万円:52.9%
  • 600~650万円:51.1%
  • 650~700万円:59.7%
  • 700~750万円:54.5%
  • 750~800万円:60.8%
  • 800~900万円:63.3%
  • 900~1000万円:67.1%
  • 1000~1250万円:68.8%
  • 1250~1500万円:78.8%
  • 1500万円以上:67.1%

この調査結果をみると、ちょうど年収500万円にさしかかる世帯から、共働きである割合が半数を超えています。それ以上の年収帯では、さらに共働き率は上がっています。

ひと昔前は「高収入世帯=専業主婦」のような世間のイメージもあったと思いますが、いまは夫婦で協力して高収入を成す時代なのかもしれません。

まとめにかえて

日本の少子高齢化は歯止めがかからず、今後も労働人口が減っていくことが予想される中、女性の活躍には期待が寄せられています。実際、家計においても女性の収入は大きく影響しています。

しかし現実には、「産休・育休を取ると昇進できない」、「子どもが体調を崩せば休みを取るのは、結局ほとんどが女性」など、女性が安心して働けるには時間がかかりそうです。

とはいえ、独身の方も、共働きの方も、将来のための貯金は全く考えていないという方は少ないと思いますので、将来のために金融商品を活用して効率よく増やすことも検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

  • 国税庁 令和元年分「民間給与実態調査」
  • 総務省「2020年4~6月家計調査報告(貯蓄・負債編)」

尾崎 絵実

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