公的年金には、
・ 老齢になって受給できる「老齢基礎年金」や「老齢厚生年金」=「老齢年金」
・ 障害を負った場合に受給できる「障害基礎年金」「障害厚生年金」=「障害年金」
・ 被保険者が死亡した場合に遺族が受給できる「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」=「遺族年金」
があります。
これらの年金は条件を満たせば自動的に受給できると思っている方が意外と多いのですが、実はどの年金にも請求手続きが必要です。
今回は、これらの年金を受給する際の請求手続きについて詳しく解説していきます。
「老齢年金」の受給手続き
「老齢基礎年金」は、受給資格期間が10年以上ある方が原則65歳から受給できます。
「老齢基礎年金」の受給資格があり、かつ厚生年金保険の被保険者期間がある方は、65歳から「老齢厚生年金」を受給できます。
また、生年月日に応じて65歳まで「特別支給の老齢厚生年金」を受給できる方もいるのです。
これらの「老齢年金」の受給開始年齢に達して受給権を有する方には、受給開始年齢に到達する3か月前に「年金請求書」が送られてきます。
「老齢年金」を受給するには、この
「年金請求書」に必要事項を記入して、受給開始年齢の誕生日の前日以降に添付書類と一緒に近くの年金事務所に提出する
必要があります。
「年金請求書」を提出せずに年金を受ける権利が発生してから5年が経過した場合、時効によって5年経過分の年金は受給できなくなりますので注意が必要です。
「障害年金」の受給手続き
次に、「障害年金」の受給手続きを見ていきましょう。
「障害基礎年金」の手続き
「障害基礎年金」は、国民年金の被保険者期間中に日本国内に居住している間に障害の原因となった病気やけがの初診日がある方が受給できます。
20歳前や60歳以上65歳未満の年金制度に加入していない期間で、日本国内に住んでいる間に初診日があるときもこれに含まれます。
「障害基礎年金」を受給するには、住所地の市区町村役場や近くの年金事務所、街角の年金相談センターに備え付けてある
「年金請求書」に必要事項を記入のうえで、必要書類と一緒に住所地の市区町村役場の窓口に提出
します。
なお、初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合には、近くの年金事務所、街角の年金相談センターに提出します。
「障害基礎年金」の請求に必要な書類については、日本年金機構ホームページのこちらをご参照ください。
「障害厚生年金」の手続き
「障害厚生年金」は、厚生年金保険の被保険者期間中に、障害の原因となった病気やけがの初診日がある方が受給できます。
「障害厚生年金」を受給するには、近くの年金事務所や街角の年金相談センターに備え付けてある
「年金請求書」に必要事項を記入のうえで、必要書類と一緒に近くの年金事務所や街角の年金相談センターの窓口に提出
します。
「障害厚生年金」の請求に必要な書類については、日本年金機構ホームページのこちらをご参照ください。
「遺族年金」の受給手続き
次に、「遺族年金」の受給手続きです。
「遺族基礎年金」の手続き
「遺族基礎年金」は、国民年金加入中の方が亡くなられた時に生計維持されていた「18歳到達年度の末日までにある子(障害の状態にある場合は20歳未満)のいる配偶者」または「子」が受給できます。
「遺族基礎年金」を受給するには、住所地の市区町村役場や近くの年金事務所、街角の年金相談センターに備え付けてある
なお、死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合には、近くの年金事務所、街角の年金相談センターに提出します。
「遺族基礎年金」の請求に必要な書類については、日本年金機構ホームページのこちらを参照してください。
「遺族厚生年金」の手続き
「遺族厚生年金」は、厚生年金保険の被保険者中または被保険者であった方が亡くなられた時に生計維持されていた遺族が受給できます。
「遺族厚生年金」を受給するには、近くの年金事務所や街角の年金相談センターに備え付けてある
「遺族厚生年金」の請求に必要な書類については、日本年金機構ホームページのこちらをご参照ください
年金の種類によって提出先が違う場合もある
このように、公的年金はどの種類の年金であったとしても、自分で請求しなければなりません。
また、年金の種類によって提出先も違う場合がありますので注意が必要です。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)