中国で「ブロマンス」ドラマブームが起きている背景とは―中国メディア

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2021年3月16日、中国メディアの環球網は「耽美小説(中国語で主に男性の同性愛を描いた小説を指す)」を原作とした、男性2人を主人公とする「ブロマンス路線」の配信ドラマが多く制作されている傾向について分析する中国誌・半月談の記事を掲載した。

記事は始めに「耽美小説」のドラマ化の盛況ぶりを紹介。オンライン小説サイト「晋江文学城」では、小説の著作利用権を販売しており、最高4000万元(約6億7200万円)で売れた作品もあるほか、現在は60作以上のドラマ化作品が撮影準備中、または完成間近だという。記事は「同性愛のようなデリケートな題材のドラマ化について、昔なら集まらないぐらいの売れっ子の俳優や制作陣が集結し、『耽美』の文化がサブカルチャーから大衆文化へ変わろうとしている」として、「国内の耽美文化史上のマイルストーンとなるような事件だ」と述べた。

記事は次に「耽美小説」や「ブロマンス」路線のドラマが流行している原因を二つ挙げた。一つ目は「女性視聴者層の受けが良い」ことで、「主人公の男性2人の顔の良さ」を重視したドラマ作りをしている点や、主人公2人が互いを称賛したり、肩を並べて戦うなどの平等な関係性を描く点が「女性が思う理想の関係を反映している」と指摘した。二つ目は「原作のファンが持つエネルギーと潜在的な経済効果」で、人気の作品であればドラマ化により原作ファンの視聴数が稼げる上に、原作ファンの意に沿わない「魔改造」のようなドラマ化であっても、ネットで炎上することで逆に話題になり、良い宣伝になるという。

また新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年上半期は1万3170社もの関係企業が倒産するほどの業績不振に陥っている映画やテレビの業界にとって、長い年月をかけて多くのファンやコンテンツを蓄積している「耽美小説」の映像化は、デリケートな題材というデメリットはあっても、多くのファンを配信ドラマの視聴者に変えることで、市場の動向を激変させるほどの巨大な経済効果を生むメリットがあるという。

記事は最後に学界がブロマンス路線の作品やボーイズラブ(BL)やガールズラブ(GL)の同人誌が青少年の性の認識や恋愛観に与える影響を研究していることを紹介し、その一例として、湖南省では青少年1260人を対象とした調査を行い、32.3%が「ブロマンス作品や同人誌を好む」、11.9%が「文学作品の同性愛の描写にあこがれる」と回答するなどの結果があったことを示した。(翻訳・編集/原邦之)

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