「お金持ちはお金持ちと結婚する」のはなぜ? 婚活の条件が静かに働いている仕組み
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「お金持ちはお金持ちと結婚する」のはなぜ? 婚活の条件が静かに働いている仕組み

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「似た者同士が結ばれやすい」と聞くと、どこか冷たい印象を受けるかもしれません。けれど、そこに誰かが決めたルールがあるわけではありません。多くの人が「自分に合いそうな相手」を選び、その選択が積み重なった結果として、学歴や収入の近い人どうしが結ばれやすくなる。この傾向は社会学で同類婚と呼ばれています。

同類婚は「命令」ではなく「選択の集積」

同類婚とは、学歴や収入、育った環境などが近い人どうしが結婚しやすいという傾向のことです。誰かに強制されているわけではなく、自由に相手を選んだ結果として生じます。

もちろん、違う階層同士の結婚がなくなったわけではありません。ただ、同じような条件の人どうしが結ばれやすくなれば、層をまたぐ結婚は相対的に少なくなります。ここで問題になるのは、それが一人ひとりの話にとどまらず、社会全体で積み重なったときです。

検索条件は、相手を選ぶだけでなく「消して」いる

婚活アプリの検索欄に年収や学歴の条件を入れること自体は、ごく自然な行動です。限られた時間で相手を探すための、合理的な道具といえます。

ただし、条件は「選ぶ」だけでなく「表示しない」という形でも働きます。たとえば年収600万円以上で検索すれば、それ未満の人は結果一覧に現れません。断られる前に、存在ごと視界から外れるのです。対面のお見合いなら一度は顔を合わせる相手でも、検索の前では最初からいないものとして扱われます。

そして、条件を使っているのは自分だけではありません。自分が誰かを条件で外しているのと同じように、自分も誰かの条件で外されています。これは責め合う話ではなく、仕組みの話です。

個人の差が、世帯の差として積み上がる

収入の近い人どうしが結婚すると、世帯の収入はどうなるでしょうか。年収800万円同士なら世帯で1600万円、300万円同士なら600万円。個人の差が、世帯という単位で見たときにさらに開くことになります。

この点について、2014年に発表された研究では、2005年のアメリカのデータを使い、結婚相手が完全にランダムに決まったと仮定した場合のジニ係数が0.43から0.34程度まで下がるという試算が示された、と紹介されています。ジニ係数は所得格差の大きさを表す指標で、小さいほど格差が小さいとされます。

ただし、これはあくまで仮定に基づく試算であり、現実にそうなることを予測したものではありません。それでも、誰と結婚するかという個人の選択が、社会全体の所得分布と無関係ではない、という視点は残ります。

「条件を外した場」でも、条件が消えるわけではない

検索条件に疲れて、直接会える場に切り替える人もいます。対面では条件が表面化しにくく、人柄や話しやすさが前に出ます。

ただ、相手のなかにある評価の軸まで消えるわけではありません。条件を口に出さないぶん、後から効いてくることもあります。条件を外すことは、条件をなかったことにするのとは少し違います。

上を目指す人ほど、狙われやすいという現実

条件の話と合わせて知っておきたいのが、身分や事業を偽って近づき、結婚や投資を理由に金銭を求める手口があることです。ここでは、その典型的な流れを見ておきます。

信用させるために「本物」が使われる

実在する病院のパンフレットを見せる、関連会社という言葉で別法人の契約へ誘導する。こうした材料には、確認できる本物の情報が混ざっていることがあります。だからこそ、疑いにくくなります。

急かす言葉は、判断を鈍らせる

「明後日までに用意して」といった期限は、考える時間を奪うために使われることがあります。金額の大きさよりも、考える余裕をなくされている状態に気づくことが大切です。

確認できることと、できないことを分ける

名前や組織名を検索するだけでは足りません。契約書に書かれた出資先が誰なのか、その会社と本人がどう関係しているのかを、書類のうえで確かめる必要があります。うまく話が進みすぎると感じたときは、一人で決めずに第三者に話してみてください。公的な相談窓口に問い合わせるという選択肢もあります。

では、条件とどう付き合えばいいのか

条件を持つこと自体は悪いことではありません。生活設計や価値観の一致を確かめるのは、むしろ誠実な態度です。見直したいのは、その条件が「自分を守るため」のものなのか、「他人と比べるため」のものなのかという点です。

  • 条件を「絶対」ではなく「優先順位」に分ける。これは外せない、これは努力目標、という二段階にする。
  • 条件で消えている人たちのなかに、条件では測れない相性の人がいる可能性を認めておく。
  • 逆に、条件を満たす相手が必ずしも自分に合うとは限らないと知っておく。
  • お金の話が出たら、その場で返事をせず、書類と時間を持ち帰る。

この話が当てはまらない場合もあります。すべての結婚が損得で決まるわけではありませんし、階層をまたぐ結婚も現実にあります。ここで扱っているのはあくまで傾向の話で、個人の事情を説明し尽くすものではありません。

誰と結婚するかは、その人の自由です。ただ、その自由が何をしているのかを一度知っておくと、条件の使い方も、条件の外にいる人への見方も、少し変わってくるのではないでしょうか。

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