自販機が減った本当の理由と、日常の買い物で知っておきたい変化
暮らしの変化

自販機が減った本当の理由と、日常の買い物で知っておきたい変化

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通勤や散歩の途中で、いつも利用していた自動販売機が撤去されていた経験はないでしょうか。2000年には全国で560万台を超えたとされる自販機は、2020年までに216万台が撤去され、今も数を減らし続けています。なぜ身近な自販機が消えているのか。その背景は、タバコ、酒、飲料という商品ごとに異なります。ここでは、それぞれの理由と、日常の買い物で取り入れられる使い分けを整理します。

タバコ自販機が減ったのは「手間」と「選択肢」の変化

タバコの自販機が大きく減ったきっかけの一つが、2008年に全国で導入された成人識別ICカード「タスポ」です。未成年の購入を防ぐ目的で、自販機にカードをかざさないとタバコを買えなくなりました。しかし、カードを作る手間や、財布から取り出す手間を負担に感じる人が少なくありませんでした。

さらに、自販機では置ける銘柄が限られます。コンビニに行けば、食料品や飲み物を買うついでに、より多くの銘柄から選べます。このため、わざわざ自販機でタバコを買う必要性が薄れ、設置台数が減っていきました。

酒の自販機は高齢化と設備投資の重荷で減少

酒の自販機も街中から姿を消しつつあります。背景には、酒店を営む人の高齢化があります。あと何年店を続けられるか分からない状況で、自販機の設備投資やメンテナンス費用を負担するのは難しいという現実があります。酒店自体の廃業も進んでおり、一般の路上で酒の自販機を見かける機会は少なくなりました。

一方で、ホテルや宿泊施設に設置される酒の自販機は増加傾向にあります。宿泊者向けの販売は一般の酒類販売免許が不要な場合もあり、導入のハードルが低いことが理由の一つです。旅行先で見かけることがあっても、日常の買い物では酒の自販機をあてにしない方が無難です。

飲料自販機を減らしたコンビニコーヒーと設置過多

飲料自販機の減少には、2011年頃から普及したコンビニのドリップコーヒーマシンが影響しています。その場で豆を挽き、100円程度で本格的なコーヒーが飲めるようになったことで、缶コーヒーを買っていた人の一部がコンビニへ流れました。砂糖やミルクを自分で調整できる点も、自販機にはない利点です。

また、自販機は全国に設置されすぎていた面もあります。人口が増えていた時代には採算が取れても、人口減少が進むと利用者が減り、電気代や人件費で赤字になる台数が増えます。自販機の電気代は、節電タイプで月に約2000〜3000円、施設伝タイプで約4000〜6000円とされます。設置台数に対して利用者が少なければ、撤去は避けられません。

コロナ禍が追い打ちをかけ、非接触の強みが見直される

2020年以降の新型コロナウイルスは、自販機の利用者をさらに減らしました。在宅勤務や外出自粛でオフィスや観光地の人通りが減り、売上が落ちたためです。一方で、非接触で商品を買える自販機の利点に注目が集まり、冷えたマスクを販売する試験的な自販機も登場しました。

海外では、アプリで注文や決済を済ませ、自販機で商品を受け取るスマート自販機が広がっています。AIが売上データから翌日の売上予測を出し、食品ロスを減らす仕組みも導入されています。日本の自販機も、単に台数を戻すのではなく、設置場所や販売方法を変える段階に入っています。

日常の買い物で意識したい使い分け

自販機が減ったからといって、すべての買い物をコンビニやスーパーに切り替える必要はありません。商品ごとに、自分が手間をかけられる範囲で選ぶと負担が減ります。

  • タバコ:銘柄の豊富さやついで買いを考えると、コンビニの方が選びやすい場合が多いです。自販機を使うなら、タスポをすぐ出せる場所に保管しておくと手間を減らせます。
  • コーヒー:香りや好みの濃さを重視するならコンビニのドリップコーヒー、冷たい缶コーヒーを手早く買いたいなら自販機、と気分で使い分けるのが現実的です。
  • 酒:日常的にはスーパーやコンビニ、旅行先のホテルでは自販機というように、場所によって選択肢が変わります。
  • 飲み物全般:自販機が減った場所や夜間は、あらかじめ家や職場の近くで買っておくと安心です。価格を抑えたいなら、スーパーのペットボトル飲料をまとめ買いする方法もあります。

これらの使い分けに正解はなく、生活圏にどの店があるかによっても変わります。自販機が減った理由を知っておくと、買い物の失敗や「買えなかった」という小さなストレスを減らしやすくなります。

自販機の減少は、不便に感じる場面もありますが、コンビニコーヒーやスマート自販機など、新しい選択肢が増えた結果でもあります。自分の行動範囲と好みに合わせて、無理のない買い方を選んでいくことが、暮らしの負担を減らす一歩になるでしょう。

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