優秀な人と組んでも平然とついていける人の学び方——比較・適応・役割を整える3つの習慣
仕事の学び方

優秀な人と組んでも平然とついていける人の学び方——比較・適応・役割を整える3つの習慣

仕事で自分よりできる人と組むと、最初はわからないことばかりで質問の連続です。それでも、しばらくすると議論に加わり、いつの間にか仕事を任されている人がいます。相手が変わっても、また自分の役割を見つけて成果を出せる。この差は、特別な才能というより、学び方と役割の見つけ方にあるようです。

ここでは、優秀な人と組むときに試したい3つの習慣を、比較の受け止め方、学んだ方法の理解、相手との役割づくりの順に整理します。どれも明日の仕事から小さく始められるものです。

1. 差を「自分の評価」から「次の学び」に変える

自分より優秀な人を見ると、刺激になることもあれば、自信を失うこともあります。比較の研究では、自分にとって大切な分野で、相手の成功を「自分にも到達できるもの」と感じられるかが分かれ目になるといわれます。今の能力差より、これから学べる時間があると思えるかどうかです。

そこで試したいのが、相手の能力全体に追いつこうとしないことです。代わりに「あの人は何を見て、どう判断しているのか」に注目します。たとえば、会議で相手が選んだ判断の理由を一つメモし、次の自分の仕事で同じ基準を使えないか考えてみます。相手の能力すべては真似できなくても、判断の理由なら学べる部分があります。

圧倒されたり悔しかったりしても、その感情を否定する必要はありません。大切なのは、差を「自分はダメだ」という評価で終わらせず、「次に何を学ぶか」という問いに変えることです。合わないと感じる場合は、比較をいったんやめて、小さなタスクを一つ終わらせるのも有効です。

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2. 「何をしたか」より「なぜそうしたか」を学ぶ

質問して答えを覚えるだけでは、条件が変わったときにまた判断できなくなります。認知科学の分野では、熟達には二つの道があるという考え方があります。一つは慣れた手順を磨いて安定した成果を出す道、もう一つは手順がなぜ機能するかまで理解し、新しい条件に合わせて使い方を変えられる道です。後者は適応的熟達と呼ばれます。

仕事で教わるときは、手順だけでなく理由と条件をセットで確認します。たとえば、メモを左右に分けて、左に「やること」、右に「なぜそうするか」「何が変われば別の方法を選ぶか」を書きます。営業の基礎がある人が他業種へ移ったとき、以前のやり方との違いを比べることで理解が深まるのも、この学び方の例です。

理由が分からないまま真似をすると、状況が変わった途端に崩れやすくなります。質問しにくい相手なら、過去の似た経験と今の方法の違いを書き出し、その差を調べるだけでも理解の手がかりになります。

3. 相手の得意を知り、自分の役割を組み直す

優秀な人と一緒に動くために、相手と同じ知識や能力をすべて持つ必要はありません。ここで役立つのが、心理学者ダニエル・ウェグナーが論じたトランザクティブメモリーという考え方です。二人が情報を分担して覚え、必要なときに互いの記憶を利用する仕組みです。相手が何に詳しいかを知っていれば相談でき、自分の知識が伝わっていれば任せてもらえます。

まずは「相手が何に詳しいか」「自分が任されやすいことは何か」を確認します。相手にもできる仕事を安心して任せてもらえるようになれば、相手は別のタスクに力を回せます。ただし、以前の相手で得意だった役割をそのまま持ち込むのは注意が必要です。相手が変われば、何を任せたいかも変わります。相手の目標、まだ終わっていないこと、自分の力を使える場所を一つずつ確かめます。

学んだから仕事の意味が分かり、意味が分かるから担える部分が見つかり、担ってみるとさらに学ぶことが分かる。この循環を続けると、最初は教わる側でも、一緒に成果を出す側へ参加できる範囲が広がります。一人で無理な要求を引き受け続けることとは違うので、役割は相手と話し合いながら調整します。

すごい人と出会うたびに、自分の足りなさだけが増えていくように感じることはあります。それでも、差を学びの問いに変え、方法の理由まで理解し、相手に合わせて役割を組み直すと、その出会いが自分の使える力を増やす経験になります。まずは次の仕事で「なぜそうしたのか」を一つ聞く、相手の得意を一つ確認する、そのくらいの小さな行動から始めてみてください。

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