街のゲームショップはなぜ消えたのか 中古ソフト裁判と新品の利益率から読み解く
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街のゲームショップはなぜ消えたのか 中古ソフト裁判と新品の利益率から読み解く

かつて全国に約7000店あったゲーム専門店は、現在では数百から1000店未満にまで減ったといわれています。店が消えた理由は、単に「ゲームを買う人が減ったから」ではありません。新品ソフトの利益率が下がり、さらに中古販売をめぐる法的な混乱が続いたことが、街の小さなゲームショップを追い詰めました。

身近な店がなくなった背景を知ると、今の買い物の変化も少し違って見えてきます。主な流れは次の通りです。

  • 1983年 ファミリーコンピュータ発売
  • 1988年 ドラゴンクエストIIIが社会現象に
  • 1990年 スーパーファミコン発売
  • 1994年 プレイステーションとセガサターン登場
  • 1997年 ゲームショップ数がピークを迎え、中古販売をめぐる裁判が始まる
  • 2002年 最高裁が中古ソフトの販売は合法と判断

新品ソフトの利益率が下がった背景

スーパーファミコン時代、ゲームソフトの仕入れ率は定価の60%ほどでした。たとえば定価1万円のソフトなら6000円で仕入れ、2割引きの8000円で販売しても1本あたり2000円の利益が出ました。新品でも十分に商売になる仕組みだったのです。

しかし1994年にプレイステーションとセガサターンが登場し、ソフトがCD-ROMになると製造コストが下がり、定価も以前より安くなりました。同時に仕入れ率は75%程度に上がり、新品を売っても店に残る利益は小さくなっていきました。競争相手が増えたことで価格競争が始まり、ユーザーにとってはソフトを安く買えるようになった一方、店側の負担は増えたのです。

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中古ソフトは店の大きな支えだった

新品の利益が減る中で、中古ソフトはゲームショップにとって重要な収入源でした。たとえば定価8000円のソフトを5000円で買い取り、7000円で販売すれば2000円の利益になります。中古品にはメーカーへ支払う仕入れ代金が発生しないため、店の手元に残りやすい仕組みでした。

新品で利益が出にくくなっても、中古ソフトを売れば取り戻せる。多くの店がそう考えていました。ところが、この中古販売の仕組み自体を揺るがす出来事が起こります。

中古販売をめぐる5年間の裁判

1997年、ソニーがプレイステーション用ソフトの中古販売を控えるよう全国の販売店に求めたとされます。ゲームソフトは著作物でもあり、中古で再販されても開発者に利益が入らないというのが主な理由でした。

これに対して販売店側の組合が反発し、裁判は約5年に及びました。その間、「中古販売は違法かもしれない」という曖昧で不安な空気が業界に広がり、販売を控える店も出てきました。売っていいのか、売ってはいけないのかがはっきりしない状況が、店の経営をじわじわと圧迫していったのです。

2002年、最高裁は中古ソフトの販売は合法であると判断し、販売店側が勝訴しました。法的には中古売買が認められたものの、その時にはかつての勢いを取り戻すことは難しくなっていました。

店が減ったあとの買い物の選択肢

中古ソフトの売買は合法と確定しましたが、店舗数が元に戻ることはありませんでした。新品の利益率が下がった構造はそのまま残り、中古販売をめぐる長い混乱も店の体力を削りました。

今、中古ソフトを手放したい場合は、残っている専門店や宅配買取、フリマアプリなどが考えられます。ただし買取価格や手数料は方法によって異なるため、複数の条件を比べるのが無難です。新品を買う場合も、店頭で現物を確かめる機会は以前より少なくなっています。

街のゲームショップが消えた背景には、新品の利益率の低下と中古販売をめぐる不確実さがありました。単にネット通販が広がったからではなく、店が成り立つ仕組み自体が少しずつ変わっていったのです。残っている店や買取サービスを利用するとき、こうした変化を知っておくと、価格や条件を落ち着いて見極めやすくなります。

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