夜、ソファに沈んだまま、気づけば数時間。画面を閉じても休んだ感じが残らず、むしろ妙な疲れだけが残る。そんな夜が続くと、「自分は意志が弱いのかもしれない」と感じますよね。ただ、自由時間の使い方について投資家のナヴァル・ラヴィカント氏が示している考えを手がかりにすると、問題は根性ではなく、その時間に何を置くかにあると見えてきます。
同氏は、趣味を単なる息抜きではなく、人生を動かす基本設計であり、困ったときの支えにもなるものとして位置づけています。ここでは、その考えを「夜のソファの時間をどう組み替えるか」という視点で整理します。なお、以下は氏の考えとして紹介されている内容をもとにした記事上の解釈であり、効果を保証するものではありません。
夜のソファで疲れるのは、消費だけが続くから
画面を見ることやSNSを眺めること自体が悪いわけではありません。ただ、ここからは記事の解釈ですが、次々と画面を切り替えていると、頭は情報を受け取るだけで、自分から何かを選んだり生み出したりする感覚が少なくなります。すると、時間は使ったのに「何かをした」という手応えが残りにくい。これが、あのざらついた疲れの一因かもしれません。
ナヴァル氏の考えとして特徴的なのは、自由時間を「消費」で埋めるのではなく、自分を支える方向に使うという点です。同氏は、体を動かすこと、深く本を読むこと、何かを作り出すことの三つを、人生を下から支える柱として挙げています。どれも特別な才能が必要なものではありません。けれど、漫然と画面を眺める時間とは、蓄積の仕方が違います。
「体を動かす」は、気分ではなく土台の手入れ
体を動かす趣味は、見た目を変えるためだけのものではありません。ナヴァル氏は健康を、目標を実現するためのハードウェアのようなものと捉えています。どれほど良い考えを持っていても、体が疲れ切っていては動けない。だから運動は、日常的に手入れをしておく領域だというわけです。
ここで大事なのは、追い込むことより続けやすいことです。たとえば、月曜に2時間の激しい運動をして、そのあと1週間動けないより、20分の散歩を週に3回入れるほうが生活に馴染みます。ナヴァル氏自身も、苦しい訓練よりもダンスや山歩き、サイクリングのように楽しめるものを選ぶという考えが紹介されています。楽しさは、継続のための現実的な条件です。
「2日続けて休まない」という目安も、根性ではなく設計の話として使えます。1回の量を減らし、歯磨きと同じくらい考えずに始められる強度にしておく。それでも体調に不安がある場合は、自己流で無理をせず、医師や専門家に相談してください。運動が合わない時期があることもあります。
「深く読む」は、判断の材料を自分の中に作る
読書も、ただ情報を集めるためだけのものではありません。ナヴァル氏は、科学や哲学、歴史などのノンフィクションを、断片ではなく一冊を通して読むことを重視しています。これは、世界の見方を組み立てる作業です。短い記事や要約で「なんとなく分かった気になる」ことと、自分の言葉で説明できることは別です。
読書の効能として同氏が挙げているのは、判断力の土台になるという点です。判断力は、情報量だけでなく、考える型をいくつ持っているかに関わります。歴史や哲学の本は、その型を遠回りに見せてくれます。何百年も前の考えに触れることで、目の前の出来事を別の角度から見られるようになる。これは、読書のたびにすぐ結果が出るものではありません。
読み方も、完璧な読書リストを作るより、自分の疑問から始めるほうが続きます。気になった本を一冊読み、その中で引っかかった言葉から次の本へ進む。同じ本を読み返すと、前回は見えなかった部分が見えることもあります。本が変わったのではなく、読む側の自分が変わったからです。ただし、読書が苦痛なら、短い章から、音声でも構いません。読む量を競う必要はありません。
「何かを作る」は、消費者から一歩ずれること
三つ目の柱は、何かを作り出すことです。ナヴァル氏の考えとしてよく紹介されるのは、「豊かになる鍵は自分自身を商品にすること」というものです。ここでいう商品化は、自分を売り物にするというより、自分が価値を生み出す側に回るという意味で捉えると分かりやすいでしょう。
たとえば、誰かの作品を見るだけなら消費者ですが、同じ題材を自分の視点でまとめて発信すれば、価値を届ける側になります。写真が好きなら、撮ってフォルダにしまうだけでなく、一枚の写真に短い物語を添えてみる。料理なら、レシピの試行錯誤を記録してみる。最初から仕事にしようとしなくて構いません。創作は、自分の情熱や得意を見つけるための実験でもあります。
ただし、発信すれば必ず収入になるわけではありません。ナヴァル氏はプログラミングや文章、動画など、少ない労力で多くの人に届けやすい技術に触れていますが、それは成果を保証する話ではありません。むしろ、公開することにはプライバシーや反応への不安も伴います。無理に顔を出さず、匿名で小さく始める、公開せず手元で続けるという選択も十分にあります。
今夜のソファに、一つだけ別の選択を置く
自由時間の過ごし方を変えるとき、生活全体を入れ替える必要はありません。まずは、夜のソファで最初に手に取るものを一つ変えてみます。たとえば、次のような小さな実験です。
- 運動:今週20分の散歩を3回、予定に入れる
- 読書:寝る前に数ページだけ読む
- 創作:スマホのメモに今日気づいたことを3行書く
どれも小さく、失敗しても戻れます。合わないと感じたら、別の柱に替えても構いません。体を動かすのがつらい時期なら読書から、長い本が重いなら短いエッセイから、創作がプレッシャーなら非公開の記録から。大事なのは、夜の時間を「なんとなく消費するしかない」と決めつけないことです。自由時間は、自分がどんな人間になっていくかを少しずつ形づくる時間でもあります。今夜は、ソファに沈む前に、一つだけ選んでみてください。