職場で「この上司、どうしてこんなに使えないんだろう」と感じたことはありませんか。実は、本人の資質だけの問題ではなく、組織の昇進の仕組みに原因があるかもしれません。ここでは、有能だった人が管理職になって無能化していく「ピーターの法則」という考え方を手がかりに、今の職場で自分を守るための具体的な行動を整理します。
まず結論から言うと、曖昧な指示や手柄の横取り、責任転嫁に振り回されないためには、口頭のやり取りを記録に残すことと、自分のキャリアを管理職だけに絞らないことが有効です。すべてを解決する方法ではありませんが、負担を減らす小さな習慣になります。
無能な上司が生まれるのは、能力の問題だけではない
ピーターの法則という考え方があります。これは、有能だった人ほど昇進を繰り返し、最終的に自分の能力が追いつかない地位にたどり着く、というものです。現場の作業で優秀だった人が、管理職になって求められるスキルが変わり、結果として「使えない上司」に見えてしまう。この構造は、個人の努力不足というより、昇進の仕組みそのものに原因があるとされます。
たとえば、ある人が現場で手が早く、正確に仕事をこなしていたとします。その実績が評価されて係長や課長になると、今度はチーム全体の調整、会議資料の作成、他部署との折衝、部下のミスの責任を取る仕事が中心になります。現場で培った技術とは別の能力が必要になるため、うまくいかずに板挟みになることがあります。
また、日本企業の多くは、管理職にならないと給与や立場が上がらない単線型のキャリアが中心だと指摘されることもあります。専門職のまま評価される道が少ないと、現場に向いている人まで管理職に回され、無能化が進みやすくなるという見方です。これはすべての会社に当てはまる事実ではありませんが、一つの背景として知っておくと、上司個人を責めすぎずに済むかもしれません。