昭和の学校から消えたものとその理由——教室・校庭・プールで変わった当たり前
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昭和の学校から消えたものとその理由——教室・校庭・プールで変わった当たり前

学校の風景は、時代とともに少しずつ変わります。昭和の学校では当たり前だったものが、令和の教室や校庭から姿を消した例は少なくありません。懐かしさだけで振り返るのではなく、なぜ消えたのかを知ると、今の学校が何を優先しているのかが見えてきます。ここでは、教室・校庭・給食・プールなど場面ごとに、昭和の学校にあったものと、それがなくなった背景を整理します。

教室から消えたもの:OHPとわら半紙

透明なシートに書いた文字や図をスクリーンに映すOHP(オーバーヘッドプロジェクター)は、1970年代から1980年代にかけて学校で広く使われました。教材を大きく映せるため、視覚的な学習を助ける道具でした。しかし1990年代後半から2000年代にかけてパソコンが普及すると、デジタル機器に置き換わり、現在の教室ではほとんど見かけなくなりました。

プリントやテスト用紙に使われたわら半紙も、昭和の学校では身近な存在でした。薄茶色で手触りの粗い安価な紙です。現在は白色度の高いコピー用紙や再生紙が中心になり、わら半紙を日常的に使う学校は少なくなっています。

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指導の形から消えたもの:廊下に立たせる・給食の完食指導

昭和の学校では、授業中に私語をした生徒が廊下に立たされたり、教師がチョークを投げたりする光景があったとされます。当時は教師の指示に従うことが重視され、厳しい指導が行われることも少なくありませんでした。しかし現在は、授業を受けさせない廊下での立たせ指導は、教育を受ける権利を奪う行為として禁止されています。体罰や長時間の特定姿勢を強いる指導も認められていません。

給食でも変化がありました。昭和の時代は「出されたものは残さず食べる」ことが美徳とされ、食べ終わるまで席を立たせない完食指導が一般的でした。好き嫌いを無理に克服させようとする場面もありました。現在は食物アレルギーへの理解が広がり、子どもの健康と自主性を尊重する食育へと変わっています。無理に全部食べさせるのではなく、食べられる量や体調に配慮する考え方が基本です。

校庭・体育から消えたもの:危険な遊具とブルマー

昭和の校庭には、遊動円木や回転ジャングルジム、箱型ブランコなど、スリリングな遊具が複数置かれていました。勢いよく動くため楽しい反面、周囲にぶつかる、振り落とされるなどの事故も多く、けがをする子どもが続出しました。安全面の見直しによって、こうした遊具の多くは撤去され、現在の校庭では数を減らしています。

女子の体操着だったブルマーも、1960年代から1990年代にかけて全国で使われました。身体のラインが強調される形状のため、着用に不快感や恥ずかしさを感じる女子生徒が多く、声が高まったことで廃止されました。現在はハーフパンツやジャージが一般的です。スクール水着も、体の露出を減らし、ラインをカバーするデザインへと変わっています。

健康管理から消えたもの:焼却炉・ぎょう虫検査・座高測定

学校で出たゴミを燃やす焼却炉は、かつて多くの学校にありました。煙に有害物質が含まれる恐れが指摘され、1998年頃には全国の小中高校で焼却炉を原則廃止する動きが進みました。現在は自治体のごみ収集や処理業者に出す形が一般的です。

ぎょう虫検査は、肛門に専用シールを当てて卵の有無を調べる検査で、2015年度まで行われていました。衛生環境の改善に伴い、過去10年の検出率が1%以下に下がったことから、学校での一斉検査は2016年3月末で廃止されました。座高測定も2014年に廃止されています。身長と体重のデータで十分とされ、測定結果によって体型をからかわれるといった問題も背景にありました。

プールから消えたもの:腰洗い槽・洗眼器・ゴーグル禁止

昭和の学校プールには、高濃度の塩素水に腰まで浸かる腰洗い槽がありました。衛生管理のために設置されていましたが、ろ過装置の導入でプール本体の衛生面が向上したこと、腰洗い槽の消毒では十分な殺菌効果が得られないこと、シャワーで十分対応できることなどから、2001年頃から撤去が進みました。プール後に目を洗う洗眼器も、現在ではほとんど見かけません。

また、学校によっては「ゴーグル使用禁止」というルールもありました。水泳の授業でゴーグルを外して泳ぐことで目を痛める子どももいましたが、現在は目の保護を優先し、ゴーグルを認める学校が増えています。

職員室から消えたもの:たばこの煙

かつての職員室では、教員がたばこを吸う姿が当たり前でした。学校や地域によって差はありますが、校舎内禁煙の動きは平成10年頃から徐々に広がり、2020年頃には敷地内禁煙とする学校が一般的になっています。子どもの受動喫煙を防ぐ視点が強まった結果です。

消えたものから見える、今の学校の基準

昭和の学校から消えたものの多くは、安全・健康・子どもの気持ちを優先した結果です。懐かしい思い出がある人にとっては寂しい変化かもしれません。ただ、当時は当たり前だったことが、今の基準では危険だったり、子どもの権利を損ねたりしていた例もあります。昔と今を比べるときは、単に「今は厳しさがなくなった」と片付けるのではなく、何を守るために変わったのかを考えると、学校の変化を少し違った目で見られるかもしれません。

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