大晦日の夕方、カーテンを洗いながら湯船をこすっている人と、こたつでゆっくりしている人。この差は、几帳面かどうかではありません。始める時期と進める順番が違うだけです。年末の大掃除が「地獄」に感じるのは、12月という季節に全部を詰め込んでいるからかもしれません。
12月の大掃除がつらいのは、寒さと水と時間が重なるから
油汚れは温かい方が落ちやすいものです。換気扇やコンロまわりの油は、調理の直後なら濡れた布でさっと拭けるのに、時間が経って冷えると固まってこびりつきます。気温も同じで、12月の寒さの中では油がかたくなり、同じ汚れでも落とす手間が大きく変わります。
水仕事も同じです。12月の水は冷たく、手がかじかんで動きにくくなります。洗ったカーテンも乾きにくく、窓を開けて拭けば部屋まで冷えます。さらに年末は仕事の締めや行事、買い物が重なり、時間も取りにくい季節です。小さな子どものいる家では、ちょうどこの時期に体調を崩しやすいという声もありました。
つまり、年末の大掃除がつらいのは根性が足りないからではなく、気温と水と予定がすべてこちらに不利に働いているだけです。わざわざ一番条件の悪い時期にまとめてやる必要はありません。
暖かいうちに終わらせる人の「時期」と「順番」
寒さが厳しい地域では、雪が降る前に窓と網戸を終わらせるという人が多くいます。また、ゴールデンウィークや秋の連休にまとめて済ませる人、5月と10月の衣替えのついでに掃除もする人もいました。春は花粉で窓を開けにくく、夏は暑さで動くのが大変なので、結果として秋が向いていると感じる人が多いようです。
実際に試した人の声を並べると、一つの目安が見えてきます。外まわりの仕事と窓を開けてやる作業は11月末までに終わらせ、12月には暖房のきいた部屋の中でできることだけを残す。網戸やベランダ、窓は温かいうちに済ませ、12月に残すのは食器棚の整理や書類の片付けなどです。
もちろん全部を完璧にやる必要はありません。寒くなる前に「水回り」と「油回り」の2つだけでも片付けておけば、12月のしんどさはかなり変わります。
片付けについてのやり取りの中に、こうした例もありました。11月までに掃除を終えたのに、12月に入って近所の解体工事が始まり、せっかく拭いた窓が工事のほこりで汚れてしまったそうです。それ以来、この人は家の中から先に片付ける順番に変えたといいます。外まわりは最後に何が起きるかわからないため、自分でコントロールできる内側から仕上げるのは実践的な知恵です。
掃除の前に「捨てる」を1袋ずつ
大掃除は、洗うところからではなく、捨てるところから始まります。物が少ない部屋は掃除が早く、棚の上が開いていれば拭くのも一瞬です。物の表面が減れば、ほこりの居場所も自然と減ります。
やり方として真似しやすいのは、ゴミの収集日ごとに1袋だけ捨てる方法です。週に2回なら2袋。棚を全部ひっくり返す必要はなく、今日は引き出しの一つから着なくなった服を1袋出すだけで十分です。1枚のチラシを捨てただけでも、捨てるという行為に慣れる練習になります。
「今やっても年末にはまた汚れるのでは」という声もあります。確かに暮らしていれば床や棚はまた汚れます。でも、今掃除をした部屋と何もしなかった部屋では、年末に比べれば前者の方がきれいです。一度きれいにしておくと、次に掃除するときの汚れも軽く、汚れても戻そうという気持ちになりやすくなります。
捨てにくい布物は、最後に一度だけ働いてもらう
着古した服やタオルが捨てられないのは、「まだ使える」という気持ちがあるからです。そういう布は、捨てる前に一度だけ雑巾として使う方法があります。ベランダや玄関を拭いてからゴミ袋に入れれば、使った雑巾を洗う手間もありません。穴の開いた靴下や古いタオルも、最後の仕事をしてもらってから手放すと、もったいない気持ちを消化しやすくなります。
今日から始めるなら、場所を一つだけ決める
続ける人の共通点は、一気にやろうとしないことです。捨ててから洗う、温かいうちに水回りを済ませる、小さな一歩を毎日に分ける。この3つを意識するだけでも、年末の大掃除の負担は変わってきます。
もし今日から始めるなら、窓でも食器棚の一段でもかまいません。まずは手をつける場所を一つだけ決めて、そこだけ終わらせてみてください。外まわりを先に片付けておけば、12月に残るのは普段の家事と、こたつでゆっくりする時間だけです。