登山人口が15年で6割減った背景と、山を好きな人ほど知っておきたい続け方
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登山人口が15年で6割減った背景と、山を好きな人ほど知っておきたい続け方

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山が好きなのに、ここ数年足が遠のいている。そんな人にとって、登山人口の減少は他人事ではありません。レジャー白書の推計では、2009年に約1230万人だった登山人口が、2024年には約490万人になったとされています。ただし2009年に調査方法がインターネット調査へ変わったため、数字の単純な比較には注意が必要です。それでも、2019年には約650万人、2020年には約460万人、2021年には約440万人と、コロナ前から緩やかに減っていた流れが見えます。

理由は「山に飽きた」だけではありません。むしろ、山が好きな人ほど、体や生活の条件が合わなくなって離れている面があります。ここでは、登山人口が減った背景を整理しつつ、今の条件に合わせて山と付き合い直すための具体的な工夫を紹介します。

山から離れる理由は「飽きた」ではなく「条件が揃わない」

2005年から2008年の推計では、登山者の7割以上が40歳以上、3人に1人は60歳以上でした。長く山を支えてきた世代が年齢を重ねるにつれ、体の負担や暑さの影響を受けやすくなった面もあります。40代以上の登山経験者を対象にした調査では、登山の頻度が減った、またはやめた理由として最も多かったのが「暑すぎる」でした。2023年と2024年の夏は記録的な暑さで、標高の低い山では朝のうちから汗が止まらない日もあります。暑さは体力を奪うため、以前と同じペースで登れなくなるのは自然なことです。

体の痛みも大きな要因です。特に膝は、登りよりも下りで体重を受け止める負担がかかります。体を痛めて登山やハイキングの頻度を減らした人のうち、56.5%が「体が治れば回数を増やしたい」と答えているという調査結果もあります。山への気持ちがなくなったのではなく、体が追いつかなくなったケースは少なくありません。

さらに、時間と費用の変化もあります。山小屋は人件費やヘリコプターによる物資輸送費の高騰で値上げしたところがあり、1泊2食がコロナ前の9500円から1万3000円になった例もあります。予約制に変わった山小屋もあり、以前のようにふらりと泊まるのは難しくなりました。仕事や家庭の予定が増え、まとまった時間を確保しにくくなった人にとって、泊まりの登山は計画の負担が大きくなっています。

一緒に登る相手の変化も見逃せません。長年連れ立って登ってきた相手が来られなくなると、一人では足が向かなくなることがあります。山そのものへの興味が薄れたわけではなく、山へ向かうきっかけが減ってしまうのです。

今の条件に合わせて山と付き合い直す

以前と同じ頻度や同じ山を目指すのではなく、今の体と生活に合った形に変えると、山との接点を保ちやすくなります。無理をしない範囲で試せる工夫を、理由別に整理します。

暑さが理由なら、時期と時間帯をずらす

夏の低山を避け、早朝に出発するだけでも体感は大きく変わります。日が高くなる前に登り始め、気温が上がる時間帯には下山しているような計画を立てると、暑さによる消耗を減らせます。標高の高い山や、春秋の涼しい時期に予定を移すのも有効です。水は多めに持ち、こまめに休憩を挟みます。暑さで体調が優れない日は、無理に登らない判断も必要です。

膝や体の負担が気になるとき

膝が痛む場合は、下りで特に負担がかかります。登りよりも下りをゆっくりにし、ストックを使う、荷物を軽くするといった方法があります。近場の短時間の山に切り替えると、痛みの出る前に下山しやすくなります。痛みが続くときは無理をせず、医師や専門家に相談するのが安心です。体が回復してから、以前より短いコースで再開するのも一つの方法です。

時間とお金の制約があるとき

泊まりの山が難しくなったなら、日帰りで行ける近場の山に切り替えると計画の負担が減ります。山小屋に泊まる場合は、予約状況や料金を早めに確認し、交通費を含めた予算を先に決めておくと、当日の迷いが少なくなります。遠くの山に行けない時期は、近場の低山や里山を歩くだけでも、山とのつながりを保てます。

一人では行きづらいとき

一緒に登る相手が来られなくなった場合、無理に一人で同じ山を目指す必要はありません。近場の低山や公園の散策、山の地図や記録を見返す、次に行く山の計画だけを立てるといった小さな行動から再開する方法もあります。相手と予定が合わないときは、短時間で行ける場所を提案してみると、互いの負担が少なくなります。

山を「やめる」ではなく「距離を置く」という選択

登山人口の減少には、暑さ、体の痛み、時間と費用、予約制への変化、一緒に登る相手の変化など、複数の条件が重なっています。どれか一つを解決すれば以前のように登れるわけではなく、今の自分に合った頻度や山を選び直すことが現実的です。

体や生活の変化で頻度が減っても、山への気持ちまで失ったとは限りません。行けない自分を責めるよりも、今できる範囲で山との接点を残しておくことが、また登る日のための準備になります。無理に以前と同じ姿を目指さなくても、山は近くにあります。

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