学校のクラスメイトと馴染めない。そんな悩みを抱える学生は少なくない。野球界のレジェンド、イチロー氏はこの問いに対し、静かだが確かな言葉で答えている。「無理する必要はないんじゃないかと思うね。疲れちゃうから」
現代を生きる若者が抱えるストレス
イチロー氏はまず、現代の若者が置かれた環境に目を向ける。「昔はある時代まではストレスっていうのは大人が抱えるものだったと思うんだけれども、今はもうみんなぐらいの年齢でもストレスあるよね、きっと」
日常生活の中にすでにストレスが存在する中で、さらに人間関係で無理を重ねることは、心身の負担を増やすだけだという視点だ。
「好きなことだけやればいい」ではない
ただし、氏は「自分がやりたいことだけ好きなようにやっていればいい」という考えにも釘を刺す。「もちろんいろんな人が学校にいて、自分がやりたいことだけ好きなようにやっていればいいかっていうと、それはまた違う話だと思うんだけれど」
社会生活には最低限の協調やルールが必要であり、完全な自己中心では成立しない現実がある。
一度入ってみて、見極める価値
ではどうすればいいのか。イチロー氏は「一度入ってみて」という体験のプロセスを提案する。
- 「あ、やっぱり違うな」と感じること
- 「あ、でも入ってみるとこんなこと発見るな」と気づくこと
これらを実際に体験してみることは「すごく大事なこと」だと語る。完全に心を閉ざして拒絶するのではなく、まずは触れてみてから判断する。その順序に意味があるのだ。
最初から閉ざさない勇気
「完全に閉ざすことっていうのはそういうこともあると思うんだけれど、最初にそれはしてはダメだと思うんだよね」
無理に馴染む必要はない。だが、最初から可能性を絶ってしまうことだけは避けたい。イチロー氏の言葉は、友人関係における「距離感の取り方」を、力まずに教えてくれる。