夫婦間の些細な言い争いの末、夫が妻へ「母親失格」という言葉を投げかけてしまった。保育園の制作物をめぐる意見の相違がきっかけだった。この相談に対し、タレントで二児の母でもある藤本美貴は、毅然とした口調で「絶対に言ってはいけない言葉」だと断じた。
「母親失格」という言葉の重み
「母親失格なんて絶対言っちゃいけないよね」
藤本美貴
相談者の夫は、妻が「保育園の制作物を作るのが面倒だから買うか、あなたが作りたいならあなたが作って」と言ったことに腹を立て、「誰の金で生活できてんだ」と同レベルの暴言として「母親失格」を口にしたという。藤本はこの言葉を、生活費を盾に取る発言と同列に置き、決して許容されないラインだと明確に線引きした。
見えない努力と、妊娠中の現実
「子供ちっちゃい時なんてさ、もう何が正解かも分からない中で一生懸命やってるわけじゃん」
藤本美貴
藤本は、妻が第二子を妊娠中である事実に着目する。つわりや体調の変化を抱えながら、上の子の育児と家事を両立させている妻の姿を「一生懸命やってる」と評価した。その上で、以下のように続ける。
「2人も妊娠してあれ辛い、一生懸命やってるのに母親失格って、もう本当にちゃんと謝ってほしい。妊娠中の恨みはもうずっとだよ」
藤本美貴
妊娠中に受けた言葉の傷は、出産後も長く残り続ける。藤本は「その考え方改めないともう無理だよね」と、夫の根本的な姿勢の変容を求めた。
「作ること=正義」という呪縛
「作ることが正義みたいなのがちょっとしんどいよね」
藤本美貴
手作りにこだわること自体を否定せず、それを「正義」として相手に押し付ける風潮への違和感を示した。藤本は続けて、育児の現実を次のように語る。
「子育てさ、それ漫画のようにうまくいけばいいけどさ、こう絶対こう自分と奥さんじゃうじゃないところでも壁があるわけじゃん。子育てってあなたのせいでもあるんですよって感じ。あなたの子供なんだから」
藤本美貴
理想通りにいかないのが育児であり、その責任を母親一人に押し付ける構造そのものを否定した。「あなたの子供なんだから」という一言に、父親としての当事者意識を問う鋭さが宿る。
「お前がやれ」──責任の所在を問い返す
大変な時期に「なんで掃除してないの」と言いたくなる夫の心理に対しても、藤本は即座に切り返す。
「お前がやれよっていうことですよね」
藤本美貴
文句を言うなら、自ら手を動かせ。そのシンプルな論理が、夫婦間の役割分担を見直す出発点になることを示唆している。
「母親失格」という言葉は、妻という一人の人間の尊厳を踏みにじるだけでなく、父親としての自らの責任を放棄する宣言でもある。藤本美貴の助言は、当事者だけでなく、パートナーと共に子育てをするすべての人に、静かに問いかけを投げかけている。