職場で年下の後輩にまで敬語を使い続けていると、「壁がある」「よそよそしい」と言われて、少し傷つくことがあります。けれど、敬語は相手との距離を測るための道具であり、年下に敬語を使う人は、相手を「年下」という枠ではなく一人の個人として見ようとしている場合が多いものです。
とはいえ、実際に距離を感じさせてしまっているなら、言葉を崩さずにできる工夫があります。まずは、今日から試せる2つの方法を紹介します。
敬語を崩さずに距離を縮める2つの工夫
1. 頼み方に「選ぶ余地」を添える
「これ、やっといて」ではなく「これ、お願いできますか」と頼むだけでも、相手には引き受けるかどうかを決める一歩が生まれます。敬語の依頼形には、命令形にはない余白があります。さらに「手が空いているときに」「難しければ言ってください」と添えると、相手は自分の意思で動きやすくなります。
注意点は、何でもかんでも遠回しにしすぎないことです。緊急の指示や安全に関わる場面では、あいまいな依頼はかえって混乱を招きます。相手の状況と内容の重さを見て、簡潔な指示が必要なときは敬語でも「お願いします。今日中でお願いできますか」と言い切る方が親切です。
2. 「言いにくいこと」を言いやすい形で受け取る
年下の人が「あの、気のせいかもしれないんですけど」と前置きばかり増やしてきたら、それは上下関係を意識しているサインかもしれません。このとき「気のせいかもしれない、は置いておいて、続きを聞かせて」と促すと、相手は言いたいことを言いやすくなります。敬語を崩さなくても、相手の前置きを一度受け止めてから本題を尋ねるだけで、心理的な距離は縮まります。
合わない場合の代案として、自分から「私は敬語のままでいたいけれど、距離を感じたら教えてほしい」と伝える方法もあります。言葉の形を変えるより、意図を言葉にする方が負担が少ない人もいます。