自分の予定を「予定」として扱う
一人で取り組む予定は、つい後回しにしてしまいがちです。たとえば、土曜日に作りかけのものを仕上げようと決めていたとします。そこへ友人から「予定ある?」と連絡が来ると、他人との約束がないため「特に予定はない」と答えてしまう。すると、その時間は空いている時間として扱われ、せっかく楽しみにしていた作業が動かされてしまいます。
このとき、自分が楽しみにしていた予定も、そのまま伝えてみるのが有効です。「今日はこれを仕上げるつもりだった」と一言添えるだけでも、相手はあなたの時間を尊重しやすくなります。締め切りもなく、誰かに催促されることもない作業ほど、自分で時間を確保しなければいつまでも手をつけられません。
誘われるたびに予定を動かしていると、それぞれの休日は楽しく過ぎても、1か月後に机へ戻ったとき、やりたかったことが同じ場所で止まっているかもしれません。次に「やっぱり進めたかった」と思ったら、その予定を残しておくことを選んでみてください。
没頭できる時間がもたらすもの
勉強や練習をしている人を見ると、楽しみを我慢しているように感じることがあります。しかし、本人にとってはその作業こそが息抜きになっている場合もあります。たとえば、プログラミングを覚えて自分で小さなものを作っている人は、画面のボタンが思ったように動くと嬉しくなり、次に追加したい機能が浮かんでくる。外から見ればずっとパソコンの前に座っているだけでも、本人は分からなかったことを一つ理解し、動かなかったものを動かしています。
心理学者チクセントミハイが提唱した「フロー」は、目の前の活動に深く集中し、時間の感覚が変わり、その活動自体に楽しさを感じる状態を指します。自分の力に見合う挑戦があり、目標や手応えが分かる状況で生じやすいとされます。少し難しいから気になる、うまくいきそうだからもう一度やってみたい。そんな時間を知っている人にとって、休日には疲れを取ること以外の楽しみもあります。
結果が出る前の時間を守る
ただし、いつも楽しく取り組めている人ばかりではありません。まだ基礎が分からず、つまずいてばかりの日もあります。調べても理解できない、何度やっても同じところで失敗する。今日は遊びに行ったほうが楽しかったかもしれないと思う日もあるでしょう。それでも、できるようになりたいことがあるから、休日を使っているのです。
目指しているものと今できることの間に大きな距離があるほど、その時間を人に説明するのは難しくなります。まだ成果が出ていない段階では、「そんなことをして何になるの?」と言われることもあるかもしれません。しかし、本人からすれば「だから練習している」という話です。哲学者ニーチェの言葉として知られる「自分の性格に一つの様式を与える」という考え方のように、今の自分を出発点に、どんなことができる人になりたいかを考えて、今日の過ごし方を決める人もいます。
時間をかければ必ずうまくいくとは限りません。思うように進まなければやり方を変えることもあるし、続けるうちに目指すものが変わることもあります。それでも、まだ成果が出ていないというだけで、その休日が無駄だったことにはなりません。
気持ちが揺れたときの対処
一人で作業をしていると、ふとSNSを開いて友人たちが集まっている写真を見て、急に部屋が静かに感じられることがあります。誘いを断ったのは自分なのに、少し寂しくなる。このとき、「やりたいことがある」というのは強がりだったと結論を急ぐ必要はありません。誰かと笑いたい気持ちと、取り組んでいることを進めたい気持ちは同時に持てます。今日は片方を選んだだけで、選ばなかった方に魅力が残るのは自然なことです。
その寂しさが続くなら、次は友人と会う予定を入れてもいいのです。自分の時間を守ることと、人とのつながりを断つことは別です。欲しいつながりがあるなら、それを大切にしながら、一人で取り組む時間も同じように予定として扱う。このバランスを少しずつ整えていくことが、休日を自分のものにする第一歩になります。