2. 心の穏やかさを保つ
麻布大学の研究グループによる実験では、飼い主の短時間の感情の変化に犬の心拍が同調するように変化することが確認されています。心理学者はこれを感情伝染と呼びます。そばにいる人の呼吸が浅く、動作が忙しないと、こちらも落ち着かなくなる。動物はその変化をより敏感に感じ取っています。
動物のそばにいるときは、呼吸をゆっくり深くし、声のトーンを低めに、動作をゆったりさせます。完璧に落ち着こうとしなくても、話す速度を一段落とすだけでも、相手に伝わる空気は変わります。
3. ストレスをため込まない
イギリスのクイーンズ大学ベルファストの実験では、リラックス時とストレス時の汗を犬に嗅ぎ分けさせたところ、平均93.5%の確率でストレス時のサンプルを識別したと報告されています。しかも、心理状態の変化はわずか数分で汗の成分に現れるといいます。表情や態度で隠していても、犬の嗅覚の前では緊張の匂いが伝わってしまいます。
動物に好かれたいからと無理にリラックスする必要はありません。むしろ、日頃から疲れやストレスに早めに気づき、休む、話す、体を動かすなどのセルフケアを重ねることが、結果的に穏やかな空気をつくります。合わない場合は、無理に動物と接する時間を減らすのも選択肢です。
4. 見つめ合いを心地よく受け止める
麻布大学の研究グループがサイエンス誌に発表した研究では、飼い主をよく見つめる犬のグループでは、触れ合いの後に犬と飼い主の双方でオキシトシン濃度が上昇したとされています。見つめ合うことで愛情ホルモンが増え、その心地よさがさらに見つめ合いを促す循環が生まれます。
ただし、見つめ合いを心地よいと感じるかどうかは人によって差があります。目を合わせることに緊張する人もいます。動物に好かれやすい人は、犬や猫と目が合ったとき、反射的にそらすのではなく、表情を緩めて見つめ返すことができます。無理に見つめ合おうとする必要はなく、まずは目が合ったときに軽くうなずく、まばたきをゆっくりする程度から始められます。
5. 表情と声のトーンを一致させる
イギリスの研究チームによる実験では、犬は笑顔の画像と嬉しそうな鳴き声、怒った表情と威嚇する鳴き声を結びつけて見つめる時間が長くなったとされています。つまり犬は、表情と声の情報を照らし合わせて、相手の感情を読み取っています。
人に対しても、笑顔なのに声が硬い、穏やかな言葉なのに動作が急だと、どこか落ち着かない印象を与えます。動物の前では、表情・声・動作をゆっくり一致させる意識が、安心感につながります。
できそうなことから始める
犬や猫が寄ってくるのは、特別な才能やオーラのせいではありません。相手のペースを待つ、呼吸を整える、ストレスをため込まない、見つめ合いを怖がらない、表情と声を一致させる。どれも小さな習慣です。すべてを一度にやろうとせず、できそうなものから試してみてください。動物との距離が変わると、自分自身の心の状態にも気づきやすくなります。