夕方になると体がだるく、ご飯を食べても疲れが抜けない日が続くと、食事の内容が気になるものです。きゅうりのぬか漬けは、生のきゅうりよりビタミンB1が約9倍に増える食品です。食品成分表では生のきゅうり100gあたり0.03mg、ぬか漬けでは0.26mgとされています。ただし塩分もあるため、量と食べ方を整えることが欠かせません。ここでは毎日の疲れや腸の調子、野菜不足にどう役立つか、塩分を抑える具体的な習慣をまとめます。
ぬか漬けを毎日少しずつ食べると起こりやすい変化
疲れやすさへの補給になる
ビタミンB1はご飯や糖質をエネルギーに変えるのに必要な栄養です。不足するとだるさや疲れやすさにつながるとされています。ぬか漬けのきゅうり50gでビタミンB1は約0.13mg。1日の推奨量の1割を超える量になり、小皿1枚分としては大きめです。ご飯中心の食事に添えると、エネルギー代謝を助ける補給になります。
腸の調子を整える助けになる
ぬか床には乳酸菌や酵母がすみ、酸味と香りを作り出します。植物性乳酸菌は塩に強く、胃を通過して腸まで届きやすいと考えられています。ぬか漬けから見つかった乳酸菌を人に摂取してもらった小規模な試験では、お腹の調子が良くなる傾向が見られましたが、人数が少なくはっきりした結論はまだ出ていません。発酵食品を毎日少しずつ続けることは、腸を整える食事のひとつとして進められています。
便通の悩みに野菜を足す
ぬか漬けは加熱せずに食べるため、食物繊維をそのまま取り込めます。なすのぬか漬け100gには食物繊維が2.7g含まれ、生のなすより多くなります。漬ける間に水分が抜け、繊維が詰まった状態になるためです。便が硬くて悩む人には、野菜の量を増やす手軽な方法のひとつになります。
酸味と香りで食欲を引き出す
ぬか漬けの酸味は乳酸によるもので、よく漬かるとpH4前後まで下がります。酸味と香りが唾液の分泌を促し、食欲を引き出す助けになります。刻んだぬか漬けをご飯に混ぜると、食欲のない朝でも食べやすくなります。
野菜の量を自然に増やす
生野菜のサラダはかさが多く、噛むのが大変で残してしまう人もいます。ぬか漬けにすると野菜がしんなりし、きゅうり1本が小皿1枚に収まります。漬けた野菜は冷蔵庫で2日ほど持つため、作り置きの副菜にもなります。国の調査では日本人の野菜摂取量は1日平均258.7gで、目標の350gには約90g足りません。きゅうりやなす、大根、にんじんと野菜を変えれば飽きずに続けやすくなります。
塩分で損をしないための3つの習慣
毎食山盛りで食べない
体にいいからと朝昼晩のたびに山盛りのぬか漬けを食べる人もいます。市販のぬか漬けは100gに食塩が5.3gあり、かなり塩辛いものです。30gの小皿1枚でも食塩は1.6gほどになります。1日の食塩の目標は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。国の調査では日本人は1日平均9.6g摂取し、目標を上回っています。山盛りを3度食べれば、それだけで目標の半分を超えかねません。ぬか漬けは1食に小皿1枚までにし、醤油はかけずに味わいたいところです。
ぬかを落とさずに切らない
ぬか床から出した野菜を、ぬかがついたまま切って器に盛る人も多いようです。ぬかには塩がたっぷり含まれており、ついたままだと塩分がさらに増えます。水でさっと洗ってから切るだけで、塩辛さは和らいでいきます。洗うと栄養が流れると心配する人もいますが、さっと流す程度なら大きくは減りません。
古漬けばかり食べない
酸っぱい古漬けが好きで、何日も漬けたものばかり食べている人もいるかもしれません。長く漬けるほど野菜に塩が染み込み、浅く漬けたものより塩分が多くなります。きゅうりは半日から一晩、なすや大根は一晩から1日ほどが目安です。漬かりすぎたものは刻んで水にさらして塩を抜き、炒め物に使うとよいでしょう。
買うとき・始めるときに確認したい選び方
浅漬けとぬか漬けを見分ける
店に並ぶ浅漬けの多くは、調味液に短く漬けただけで発酵していません。乳酸菌やビタミンB1の増え方はぬか漬けとは異なります。袋の原材料に米ぬかと書かれているかをまず確認しましょう。ぬか漬け風と書かれたものは、調味液で味を似せた品であることが多いです。
手作りなら生ぬかか炒りぬかを選ぶ
ぬか床を1から作るなら、搗きたての生ぬかを使うと香りがよくなります。生ぬかは傷みやすいので、買ったら1週間ほどで使い切るか冷蔵庫に入れましょう。炒りぬかは扱いやすく、虫もつきにくいので、初めての人でも続けやすい選択です。
続けやすいぬか床キットを利用する
毎日かき混ぜるのが負担なら、袋のまま冷蔵庫に入れられるキットがあります。冷蔵庫に入れておけば、混ぜるのは2〜3日に1回で済みます。1kgほどの小さなぬか床なら場所も取らず、1人暮らしでも続けやすいでしょう。
疲れや塩分を考えた食べ合わせ
豚肉と合わせてビタミンB1を補う
豚肉100gにはビタミンB1が0.9mgほどあります。ぬか漬けと一緒に食べれば、1食で1日の推奨量に近い量が取れます。ビタミンB1は水に溶けて体にためておけないため、毎食少しずつ取るのが向いています。豚肉の生姜焼きにぬか漬けを小皿1枚添えると、疲れに備えた定食になります。ただし生姜焼きのタレは塩分が多いので、ぬか漬けは少なめにしたいところです。
生姜と和えて香りで満足感を出す
刻んだぬか漬けに生姜の千切り小さじ1を合わせると、香りが立って味が決まります。生姜の辛み成分には体を温める働きがあると言われています。醤油を足さなくても物足りなさを感じにくく、刻んだみょうがや大葉を足せば夏らしい一品になります。
冷ややっこに乗せて醤油を減らす
豆腐3分の1丁に刻んだぬか漬けを大さじ1杯ほど乗せます。冷ややっこにかける醤油を小さじ1杯減らすだけで、食塩は1g近く減ります。火を使わず作れるので、暑くて食欲が落ちる時期にも向いています。大豆のたんぱく質と野菜の乳酸菌が一皿で同時に取れます。
体の状態に合わせた注意点
腎臓の病気がある場合
ぬか漬けのきゅうりはカリウムが100gで610mgと、生の3倍になります。カリウムを制限されている人は、食べる量を主治医に相談してください。
ぬか床に白い膜が張った場合
薄く均一で異臭のない白い膜は産膜酵母のこともありますが、判断できないときは無理に食べないほうが安心です。黒や緑のカビが見えたり、嫌な匂いがしたりするときは、ぬか床全体を処分してください。
血圧が高めの場合
小皿1枚までにして洗ってから食べれば、毎日の楽しみとして続けられます。薬を服用していて心配なら、主治医に量を確かめておくと安心です。
ぬか漬けはビタミンB1や食物繊維を補える発酵の知恵です。ただし塩分があるため、洗ってから切り、1食小皿1枚を目安にすると負担を抑えられます。体調や持病に合わせて量を調整しながら、無理のない範囲で毎日の食事に取り入れてみてください。