又吉直樹「批判する格好よさ」からの卒業
生き方・人生観

又吉直樹「批判する格好よさ」からの卒業

読了目安:約2分
文字サイズ

芥川賞作家・又吉直樹氏が、自身の20代から30代にかけての心境の変化を語った。若い頃は「批判的な視点を持つこと」が知的で格好良く見えたが、次第に「楽しもうとする姿勢」の方が自分にも周りにも心地よいことに気づいたという。年齢を重ねるごとに変わる、ものごととの向き合い方についての考察である。

20代――批判することが「本質を見抜いている」ように見えた頃

又吉氏は20代の頃を振り返り、こう語る。

「批判的な意見を言ってる人が行けてるように見えたりもしたんですよ」

売れているもの、若い女性が好むもの、流行りものに対して批判的であればあるほど、「流行に流されず本質が見えている人」のように映ったという。しかし、それは「バイアスがかかりすぎ」ていたと、今は認める。

30代半ば――「楽しもうとする」方が機嫌がいい

転機は30代半ば頃に訪れた。何を観ても、何に触れても、まずは「楽しもう」と思って向き合う方が、自分の機嫌も良くなり、周囲の空気も良くなると実感したのだ。

「基本的には何でも楽しもうと思って見てる方が本人の機嫌も良くなるし、周りも気持ちいいし、当たり前のこと」

もちろん「全部嫌やな」と思う日もある。だが、批判的でいる状態こそが「行けてる状態」ではない、という視点を持てるようになったことが大きい。

批判する時期があってもいい――ただし、いつまでもではない

又吉氏は、20代であれば「ある程度すべてを批判的に見る時期があっていい」と肯定する。それは成長の一過程として自然なことだという。しかし、30代になっても尚、同じ姿勢を貫いていると、「まだやってんのかな」と思われてしまう、とも漏らす。

この言葉には、年齢を重ねるごとに求められる「余白」や「寛容さ」への、静かな自覚が込められている。

批判する目を持つことは決して悪いことではない。だが、そこから一歩進み、「楽しもうとする目」を自ら選び取ること。その選択が、自分自身の機嫌を整え、周囲との関係を穏やかにする。又吉氏の言葉は、そんなささやかで確かな気づきを、読み手に静かに差し出している。

シェアする

気になる記事から、別の視点も見つけてみませんか。

【名言】転んだことを恥じるな——傷跡は挑戦の証
自己成長

【名言】転んだことを恥じるな——傷跡は挑戦の証

心に響く一言を胸に、日々の失敗と向き合うヒントをお届けします。 「転んだことを恥じるな。その傷跡こそがあなたが挑戦した証であり、次に同じ石につまずかないための最高の知恵なのだから。」 背景・文脈 多くの人は失敗すると「自分はダメだ」と自己否定しがちです。しかし、失敗とは自分の計画が間違っていたことを教...

記事を読む
言い訳を捨て、覚悟で行動を変えるための第一歩
自己啓発

言い訳を捨て、覚悟で行動を変えるための第一歩

なぜ「わかっているのに動けない」のか頭では「もっとできる」と分かっていながら、実際の行動が伴わない。そのギャップが自己嫌悪を生み、自分をリスペクトできなくなる。結果が出ないから苦しいのではなく、可能性を知りながら行動しないから疲れるのだ。覚悟とは「気分より約束を優先すること」覚悟は才能や環境の違いで...

記事を読む
【名言】時間は痛みを薄める——心に響く一言
心のケア

【名言】時間は痛みを薄める——心に響く一言

「時間は薄める。今夜あなたが流す涙の痛みを時間はゆっくりと確実に薄めてくれる。」 背景・文脈 この言葉は、激しい悲しみやストレスの渦中にあるとき、今すぐ解決しようと焦る気持ちを和らげるためのメッセージです。慣れない環境や予期せぬ出来事で、時計の針が異常に遅く感じられるほどの苦痛を抱えている人に向けて、...

記事を読む
【名言】静かな怒り——心に響く一言
リーダーシップ

【名言】静かな怒り——心に響く一言

船長が激しい荒波に怯えて取り乱せば乗り組員は恐怖で海に飛び込む。リーダーの仕事とはどんな大嵐の中でも対善磁弱と過事を握り続ける静かな怒りになることだ。 この言葉は、リーダーが不安を抑え、チームに安心を与える在り方を問いかけます。嵐のような予測不能な状況でも、表情一つ変えない落ち着きが、メンバー全体の...

記事を読む

気になるテーマを、次も。

フォローしたテーマの新着記事をホームに表示します。登録は不要です。