お笑い芸人であり、吉本興業の会長も務める小籔千豊氏が、リーダー論と組織における評価のあり方について語った。競争の激しい環境で勝ち抜く組織において、「公平」という言葉が必ずしも機能しない理由、そして本当に重視すべき「人間性」と「能力」のバランスについて、氏の言葉を追っていく。
「公平な組織なんてない」——勝ち残る組織のリアル
「公平は大体いらんというか、行けてる組織において公平なところなんか俺ないと思う」
小籔千豊
小籔氏はまず、成長し続け、ライバルに勝たなければならない組織において、「公平」という概念が通用しないと断言する。仲が良いから、あるいは嫌いだからといった感情論で人を判断するのではなく、厳しい競争環境下では「能力」が第一の基準になるという現実がある。
能力だけでは「変」になる——人間性というフィルター
「能力がある。で、能力だけで選ぶのもええけど、能力だけで選ぶとやっぱ俺ちょっと変なると思うから、まだここやけど頑張ってるからとか、この辺やけどええやつやからと」
小籔千豊
しかし、能力のみを絶対視することへの懸念も示す。能力が高くても、人間性に欠ける人物を評価し続ければ、組織は歪む。そこで「まだここやけど頑張っている」「この辺やけど良いやつだ」といった、現時点の成果だけでなくプロセスや人柄を含めた総合的な判断が必要になるという。
「高性(こうせい)」なき能力は毒になる
「これぐらい能力あるけど、あいつ根性悪くて下いじめたりしてる、道に唾入れたりしてるてなったらちょっと下げたりとかっていうのは絶対いると思うよ」
小籔千豊
具体的な描写で、能力があっても「下いじめ」「道に唾を吐く」といった振る舞いをする人物は、評価を下げる対象だと明言する。能力が全て上位に来たとき、組織には「偉そうなやつ」「下いじめるやつ」「女の決済あるやつ(女性を軽視する者)」ばかりが残ることになり、「おかしい」と強調する。
評価基準は「能力+人間性+努力」の三位一体
「やっぱり能力あって人間性があって頑張っててみたいなところが評価基準でないとあかんかなと思うから、公平はいらんけど高性じゃないとあかんと思ってますね」
小籔千豊
結論として小籔氏は、「公平」ではなく「高性(高潔な人格・品性)」を組織の要諦とする。能力があり、人間性があり、努力している——この三要素を満たす人材を正しく評価することこそが、強い組織を作る鍵だと説く。
組織を率いる立場にある者は、「公平」という美辞麗句に逃げず、一人ひとりの「能力」「人間性」「姿勢」を冷徹かつ温かく見極める目利き力が問われる。小籔氏の言葉は、リーダーの覚悟を問い直す一撃となっている。