毎朝しょうがを入れる人へ。生と加熱で「冷え・胃腸・香り」の選び方が変わる
食と健康

毎朝しょうがを入れる人へ。生と加熱で「冷え・胃腸・香り」の選び方が変わる

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朝の味噌汁にチューブの生姜を一絞り。冷え対策として毎日欠かさない人も多いかもしれません。ただ、体を温めたいなら加熱、香りや薬味を生かしたいなら生。目的と形がずれていると、せっかくの習慣も実感につながりにくくなります。生姜は生の辛み成分ジンゲロールが、加熱や乾燥によってショウガオールへと変化します。この違いを知っておくと、同じ生姜でも選び方が変わります。

体を温めたいなら加熱・乾燥を選ぶ

靴下を重ねても足先が冷たく、夜なかなか寝つけない。年を重ねるにつれて、そんな冬が増えたと感じる人もいるでしょう。生の生姜に多いジンゲロールは、手足の血流や熱の感じ方との関係が研究されています。ただし、食べれば体の芯まで温まるとまでは言い切れません。

一方、加熱や乾燥で増えるショウガオールは、熱をつくる働きとの関係が研究されています。汁物や煮物にすれば、温かい料理としても取り入れやすいのが利点です。乾燥させた生姜では、ショウガオールが生の数倍に増えたという分析もあります。とはいえ、体温の変化を調べた試験は10人から20人ほどの小さなものが多く、感じ方には個人差があります。冷えが気になるなら、まず火を通した生姜を温かい料理で試すのが現実的です。

吐き気や胃のむかつきには形より量とタイミング

車に乗ると気分が悪くなる、油っこい食事のあとに胃がむかむかする。そんな悩みに対して、生姜は生でも加熱でも一定の役割が期待されています。吐き気については妊娠中や手術後の人を対象に研究が多く、乾燥した粉末が1日1g前後使われた例があります。生の生姜の働きを調べた研究もありますが、使う形や対象がさまざまで、どの形が優れているかは決められません。

つまり吐き気と胃のむかつきに関しては、生と加熱のどちらが勝るとは言いにくいのです。普段の料理で使う量とは異なる点にも注意が必要です。まずは少量を食事と一緒に取ってみて、自分の体に合うかを見るのがよいでしょう。何日も続く吐き気がある場合は、生姜で様子を見ずに医療機関で原因を確かめてください。

薬味としての香りと殺菌の働きは生が得意

刺身や冷奴にすりおろした生姜を添えるのは、昔から続く食卓の知恵です。試験管の実験では、生姜の成分が食中毒菌の増え方を抑えたという報告があります。ただし、体内で菌を退治するとまでは言えません。あくまで薬味としての働きと捉えるのが無難です。刺身1人分に添えるなら、すりおろし小さじ1杯、およそ5gで十分に香ります。

香り成分のシトラールなどは皮のすぐ下に多く、すりおろしてから時間が経つほど弱まります。使うなら下ろしてから10分以内が目安です。薄味に仕上げた煮物や和え物でも、物足りなさを補って食欲を引き出す助けになります。香りや薬味を生かしたい場面では生を選び、火を通す場合は香り付け用に少し取り分けておくといいでしょう。

毎日続けるなら乾燥生姜が手軽

生の生姜を買っても、使い切る前に冷蔵庫でしなびさせてしまう。そんな経験がある人には、乾燥した生姜の粉末が向いています。常温で6か月ほど持つものが多く、小さじ半分を紅茶や味噌汁に振るだけで済みます。生の生姜を薄切りにして乾燥させれば、家でも乾燥生姜を作れます。

加熱や乾燥で増えるショウガオールを手軽に取り入れやすいのも利点です。毎日の習慣として無理なく続けることを優先するなら、乾燥タイプを常備しておくと便利です。

目的別の選び方と1日の使い分け

冷えが気になる人は、スープや煮物に入れて火を通し、温かい料理として取り入れましょう。食欲が落ちている人や刺身・冷奴を食べる場合は、生をすりおろして添えると香りが生きます。胃がむかつきやすい人は、生でも加熱でも少量を食事と一緒に取ればよいでしょう。冷えと胃の弱さの両方が気になるなら、火を通したものを温かい汁物に少しずつ入れて取るのが安心です。

冬の朝は加熱した生姜を温かい汁物で取り、夕食の薬味には生を使う。1日のなかで両方を使えば、それぞれの良さを取りこぼしにくくなります。

気をつけたい3つの習慣

  • チューブの生姜を何か月も使い続ける:開封後は冷蔵で1か月ほどを目安に使い切る表示が多いものです。キャップに開封日を書いておくと迷いません。使い切れないなら、生を薄切りにして冷凍しておく方法もあります。
  • 空腹時にたくさん取る:生姜の辛み成分は胃を刺激するため、量が多いと胸焼けや胃の痛みにつながることがあります。料理で使う量は生で1日10gほど、親指1節分くらいが一例です。飲み物にするなら、すりおろし小さじ1杯をお湯で割り、食事と一緒に取ると胃にやさしくなります。
  • サプリを自己判断で薬と一緒に飲む:生姜には血を固まりにくくする働きがあるとされ、血液をサラサラにする薬との重なりが指摘されています。料理に使う量なら影響は小さいですが、サプリは一度に取る量が多くなりがちです。手術や抜歯の予定があれば、1週間ほど前から止めるよう言われることもあります。飲んでいる薬がある人は主治医に伝えてください。

相性のいい組み合わせ

生姜の良さを引き出す組み合わせを3つ紹介します。

  • 生姜と鶏肉:手羽元4本に薄切り生姜10g、水600mlを入れて30分ほど煮ると温かいスープになります。生姜の香りが鶏の臭みを消すので、塩は小さじ半分ほどで味が決まります。多めに作って小分けに冷凍すれば、寒い朝にすぐ温め直せます。
  • 生姜と蜂蜜:すりおろした生姜小さじ1、蜂蜜小さじ1にお湯150mlを注ぐと飲みやすくなります。蜂蜜の甘さが辛みの角を取るので、生の生姜が苦手な人にも向きます。ただし蜂蜜は1歳未満の赤ちゃんに与えてはいけません。
  • 生姜と紅茶:温かい紅茶1杯に乾燥生姜の粉末を小さじ4分の1ほど加えると、香りが立って満足感が出ます。紅茶にはカフェインがあるため、夕方以降は1杯までにしておくと眠りを邪魔しにくくなります。

よくある疑問

胃が弱いが生姜を食べても大丈夫か。少量なら問題ない人もいますが、胃が弱いと辛みが刺激になることもあります。生は避け、火を通したものを食事と一緒に試してみてください。

皮はむいたほうがいいか。香り成分は皮のすぐ下に多いので、よく洗って皮ごと使うのがおすすめです。汚れた部分だけをスプーンでこそげ取ります。

毎日食べても手足の冷えが治らない。冷えの裏に貧血や甲状腺の病気が隠れていることもあります。長く続くなら一度内科で調べてもらいましょう。

温かく取り入れたいなら加熱・乾燥、香りや薬味を生かすなら生。目的で選べば、生姜を無理なく2通りに楽しめます。今夜の味噌汁には、生姜を鍋に入れて火を通してからよそってみてください。自分に合う量と形を見つけることが、続けるための第一歩です。

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