歌手・タレントの鈴木愛理さんが、自身の成長プロセスについて語った言葉が胸に響く。「落ちてる時ってどういう風に成長してきたかっていうと、意外と真正面からズバッと言われて、一回どん底に落ちる経験が結構私には向いてるみたいで」――そう振り返る背景には、母親との特別な関係性があった。
真正面からの「ズバッ」とした言葉
鈴木さんにとっての「どん底」は、母親からの容赦ない指摘によってもたらされたという。「自分的には言って欲しくない。なんなら話聞いてくれるだけで良かったのに。でもこうでしょって真正面から言ってきたり、見たくないなって思ってるあの批判のコメントとかをスクショして送ってきたり、『逃げるなよ』みたいな感じで」。
当時は辛く、逃げたい気持ちもあった。しかし、その言葉たちが無意識のうちに内側で咀嚼され、「そうだろうな」と納得する瞬間が訪れ、前へ進むためのインプットとして機能していたことに、後になって気づくのだという。
メンタルは筋肉と同じ
「真正面からドーンと言ってくれる人ってすごい少ないし、なんかその時はウザいと思う時もあるけど、後から考えると成長になることって多い」。鈴木さんはメンタルを筋肉に例える。「私耐えてどんどん強くなって鋼になってるっていうだけで、悩むとか落ちるっていう経験がある人の方がポジティブになれる力あると思ってる」。
この視点は、苦しみを単なる苦痛としてではなく、強度を増すための負荷として捉え直すものだ。「こっちを知らないと浅い考えしか持ってないことになっちゃうから」。元々自分を「ポジティブじゃない」と自覚しているからこそ、どん底の時期を「愛しく感じるまでになりました」と語る声には、説得力がある。
人それぞれの向き合い方
ただし、鈴木さんは「でもなんか人それぞれなんで、必ず向き合わなきゃいけないかって言ったらそうでもないと思う」と付け加える。強制的な正解を押し付けるのではなく、自身の経験としての一つの真実を、静かに差し出しているに過ぎない。
「すごいきついけど人間としてで大きくなれるチャンスだみたいな」。どん底という名の負荷が、人を鋼のように鍛え上げる瞬間がある。その事実を、彼女は自らの言葉で証明してみせた。