お笑い芸人であり、劇団「吉本新喜劇」の座長も務める小籔千豊氏が、リーダーの在り方について語った言葉がある。「リーダーが一番得をしてはいけない」――この一見厳しい言葉の裏には、組織を動かす者の本質的な責任が込められている。
「得をしていると思われたら終わり」
「リーダーが一番得をしてはいけない。やし得してると思われたら終わり。」
小籔千豊
目標を掲げ、「あれに行くぞ」とメンバーを引っ張る立場にあるからこそ、成果の分配において自分を優先してはならない。リーダーが利益や評価を独占していると見られた瞬間、信頼は崩れ、誰もついてこなくなる。それが小籔氏の経験則だ。
達成の瞬間、「みんなでやりました」と言えるか
「目標達成した時に『本当にこの目標達成させるためには色々あったんですけど』とか言い出したら、もう終わりだ。自分が一番やった、周りにも手伝ってもらってできた『みんなでやりました』これしかない。」
小籔千豊
苦労話を持ち出して自分の貢献を強調するのではなく、手柄は全員のものとして返す。このマインドを常に持たなければ、以下のような「最悪のリーダー」になりかねないと警鐘を鳴らす。
- 部下の手柄を自分の手柄にする
- 部下のミスは部下のせい、自分のミスも部下のせいにする
- 成果を出したメンバーの横から「僕が言ったからだ」と嘘で横取りする
- 自分が失敗しそうになると「僕は関係ない」と逃げる
「真ん中にいるにふさわしいしんどいこと」をやる
「一番しんどくなくてもいいのかわからんけど、『あの人は真ん中でおるにふさわしいぐらいのしんどいことやってんな』と思ってもらわんかんな。誰もついてけんような気がします。」
小籔千豊
リーダーが特別な報酬を得るために存在するのではない。誰よりも厳しい局面を引き受け、責任を背負うからこそ、メンバーは「この人の後ろを歩こう」と思う。損得勘定を超えた覚悟こそが、人を動かす唯一の資格なのかもしれない。
手柄は下へ、責任は自分へ。その徹底こそが、組織を支える静かな強さになる。