前提を崩した4つの変化
ドリンクバーの導入と長時間滞在
1990年代、バブル崩壊後の集客策としてドリンクバーが広がりました。昼間のランチには効果を発揮しましたが、深夜帯では数百円のドリンクバーだけで朝まで過ごす客が増え、客単価と回転率が下がりました。席が埋まっていても売上が伸びない状態が生まれたのです。
人件費の上昇と人手不足
最低賃金は全国加重平均で1990年の516円から2010年には730円へ上昇しました。深夜割増を含めると人件費の重さは増し、少子化や他業種との競争で深夜シフトを埋めること自体が難しくなりました。2014年には牛丼チェーンのすき家で深夜のワンオペが社会問題になり、一時は全国で約1200店が深夜営業を休止しました。
コンビニの24時間営業の広がり
2000年代以降、コンビニの24時間営業が全国に広がり、深夜に食べ物を買える場所が身近になりました。ファミレスが持っていた「深夜の居場所」としての特別感は薄れ、わざわざファミレスに行く理由が減っていきました。
深夜営業が昼の営業を圧迫
深夜帯の売上は全体の数%程度にとどまる一方、人件費や光熱費は24時間分かかります。深夜シフトの疲労が翌日の接客品質に影響し、昼の常連客が離れる例もありました。深夜を維持するために、本来大切な時間帯の質が下がるという逆転が起きていました。
深夜営業の見直しが進んだ流れ
2017年にロイヤルホストが全店で24時間営業を廃止し、従業員を休ませて昼の品質を守る方針を示しました。マクドナルドも店舗ごとの需要に応じて営業時間を最適化する動きを進めました。2020年には24時間営業の先駆けだったスカイラークグループも深夜営業を見直しました。
さらに新型コロナウイルスの感染拡大で営業時間の短縮が求められ、深夜営業を続けるかどうか以前に、店を開けること自体が難しくなりました。宣言が明けても以前のような深夜の客足は戻らず、深夜営業を続ける理由はさらに薄れました。
深夜の外食との付き合い方
24時間営業のファミレスが減ったことで、深夜に外食をしたいときの選択肢は変わりました。コンビニで軽食を買う、宅配を利用する、早朝から開いている店を探すなど、以前より多様な方法があります。
店舗によって営業時間は異なるため、出かける前に公式サイトや地図アプリで営業時間を確認すると、無駄足を防げます。深夜にどうしても座って食事をしたい場合は、24時間営業を続けている一部の店や、早朝営業の店をあらかじめ探しておくのも一つの方法です。
ただし、深夜帯は人手が少なく、提供に時間がかかることもあります。急いでいるときはコンビニや持ち帰りの方が向いているかもしれません。自分の目的に合わせて選ぶと、深夜の外食の負担を減らせます。
24時間営業のファミレスが減ったのは、単に需要がなくなったからではなく、かつて利益を生んでいた前提が同時に崩れたからです。当たり前だった仕組みが変わる背景を知ると、今の選択肢を無理なく使えるようになります。深夜の過ごし方も、自分のペースに合わせて選び直す時期なのかもしれません。