日中の活動量と夜の眠気はどうつながるか
昼間あまり体を動かさないと、夜になっても体と脳が眠りモードに入りにくくなります。日中の適度な活動は、夜に体温が下がる流れを助け、心地よい眠気を引き起こすと考えられています。逆に、一日中座って過ごしていると、布団に入っても目がさえてしまうことがあります。
家の中でできる運動としては、15分から20分程度のゆっくりした歩行が目安です。リビングや廊下を歩くだけでもよく、テレビを見ながらその場で足踏みをするのでも構いません。息が切れるほど激しく動く必要はなく、体が少し温まるくらいの軽いペースで続けることが大切です。時間帯は夕方の早めが向いています。寝る直前の激しい運動は、かえって目をさえさせることがあるため避けましょう。
仮の例として、日中をほとんどソファで過ごしていた70代の女性が、午後の決まった時間に部屋の中で軽く体を動かすようにしたところ、夕方に心地よい疲労感を感じるようになり、夜中に目が覚める回数が減ったといいます。ただし、体力や関節の状態に合わせて無理のない範囲で行ってください。
夕食の時間と量は睡眠にどう影響するか
眠る直前まで胃腸に食べ物が残っていると、体は休まらず、深い睡眠に入りにくくなります。夜遅い食事は胃腸の消化活動を続けさせ、眠っている間も体温が下がりにくくなるためです。朝起きても胃がもたれた感じがする場合、夕食の取り方を見直す余地があるかもしれません。
まず、夕食は眠る時間の3時間前までに終えるのが目安です。たとえば午後11時に眠るなら、午後8時までに済ませます。どうしても遅くなる日は、うどんや豆腐、温かいスープなど消化のよいものを選ぶと負担を和らげやすくなります。食べる量は腹八分目を心がけ、脂っこいものや肉類など消化に時間がかかるものは控えめにします。一口につき30回を目安にゆっくり噛むことも、胃腸の消化を助けます。
仮の例として、寝る直前にお餅や果物を食べていた60代の女性が、寝る3時間前から何も食べないようにしたところ、朝までぐっすり眠れる日が増え、朝の目覚めが軽くなったといいます。ただし、空腹でかえって眠れない場合は、無理に我慢せず少量の消化に良いものを選ぶなど、自分に合う方法に調整してください。
入浴の温度と時間はなぜ眠りに関係するか
体は夜に向けて内側の温度を下げることで眠気が強まります。ところが、熱すぎるお湯にさっと入ると体温が急に上がり、その後下がりにくくなります。これが布団に入っても体がほてり、目がさえてしまう原因になることがあります。ぬるめのお湯にゆっくり浸かると、上がった体温が就寝のころに心地よく下がり始め、眠りにつきやすくなるとされています。
お湯の温度は38度から40度くらいを目安にし、およそ15分ほどゆっくり浸かります。夕食後、就寝の90分ほど前に入浴を終えるのが理想的です。シャワーだけで済ませる日は、洗面器1杯のぬるま湯を首の後ろにかけるだけでも、体の緊張がほぐれやすくなるとされています。
仮の例として、熱いお湯にさっと入る習慣があった60代の女性が、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるよう変えたところ、布団に入ると自然にまぶたが重くなり、朝まで眠れる日が増えたといいます。ただし、心臓や血圧に持病がある方は、入浴の温度や時間について事前に医師へ相談してください。
朝の光、日中の活動、夕食、入浴の4つは、いずれも特別な道具や費用を必要としません。年齢のせいと決めつける前に、できる範囲で一つずつ試してみる価値はあります。ただし、眠れない状態が続く、日中の強い眠気や体調不良がある場合は、睡眠の専門機関やかかりつけ医に相談してください。