60代・70代の眠れない夜に。年齢のせいと諦めず今日からできる眠りの工夫
睡眠

60代・70代の眠れない夜に。年齢のせいと諦めず今日からできる眠りの工夫

夜中に何度も目が覚めて、朝になってもすっきりしない。60代や70代になると、こうした眠りの悩みを年齢のせいと片づけてしまうことがあります。しかし、朝の光の取り入れ方や日中の過ごし方、夕食、入浴といった生活習慣を見直すと、眠りやすくなる可能性があります。ここでは、費用をかけずに今日から試せる4つの工夫をQ&A形式で整理します。なお、登場する例は特定の個人ではなく、よくある状況を想定した仮の例です。持病のある方や薬を飲んでいる方は、医師や薬剤師に相談したうえで取り入れてください。

朝の光はなぜ眠りに関係するのか

朝起きてもぼんやりして、夜になってもなかなか眠れない。そんなときは、朝の光の取り入れ方を見直すとよいとされています。朝の光には、体内時計を合わせる働きがあるためです。カーテンを閉めたまま部屋で過ごしていると、体はまだ夜だと勘違いし、夜の眠気も遅れがちになります。厚生労働省の資料でも、朝の光を浴びることが生活リズムの基本とされています。

具体的には、朝起きてから10分以内に窓際で明るい光を浴びるようにします。外に出て散歩する場合は15分ほど歩くだけでも十分です。曇りや雨の日でも、窓の近くにいれば外の光は届くとされています。サングラスなどをかけず、自然な光を目から取り入れるのがポイントです。

仮の例として、70代の女性が午前9時を過ぎても薄暗い部屋で過ごし、夜に布団の中で何時間も目がさえてしまう状況を考えてみます。この方が毎朝起きたらすぐにカーテンを開け、窓際の明るい席で朝食をとるようにしたところ、夜に自然と眠りに入りやすくなったといいます。ただし、効果の現れ方には個人差があります。睡眠の悩みが長く続く場合は、医療機関への相談も検討してください。

続きを読む 続きの表示を閉じる 次の章:日中の活動量と夜の眠気はどうつながるか

日中の活動量と夜の眠気はどうつながるか

昼間あまり体を動かさないと、夜になっても体と脳が眠りモードに入りにくくなります。日中の適度な活動は、夜に体温が下がる流れを助け、心地よい眠気を引き起こすと考えられています。逆に、一日中座って過ごしていると、布団に入っても目がさえてしまうことがあります。

家の中でできる運動としては、15分から20分程度のゆっくりした歩行が目安です。リビングや廊下を歩くだけでもよく、テレビを見ながらその場で足踏みをするのでも構いません。息が切れるほど激しく動く必要はなく、体が少し温まるくらいの軽いペースで続けることが大切です。時間帯は夕方の早めが向いています。寝る直前の激しい運動は、かえって目をさえさせることがあるため避けましょう。

仮の例として、日中をほとんどソファで過ごしていた70代の女性が、午後の決まった時間に部屋の中で軽く体を動かすようにしたところ、夕方に心地よい疲労感を感じるようになり、夜中に目が覚める回数が減ったといいます。ただし、体力や関節の状態に合わせて無理のない範囲で行ってください。

夕食の時間と量は睡眠にどう影響するか

眠る直前まで胃腸に食べ物が残っていると、体は休まらず、深い睡眠に入りにくくなります。夜遅い食事は胃腸の消化活動を続けさせ、眠っている間も体温が下がりにくくなるためです。朝起きても胃がもたれた感じがする場合、夕食の取り方を見直す余地があるかもしれません。

まず、夕食は眠る時間の3時間前までに終えるのが目安です。たとえば午後11時に眠るなら、午後8時までに済ませます。どうしても遅くなる日は、うどんや豆腐、温かいスープなど消化のよいものを選ぶと負担を和らげやすくなります。食べる量は腹八分目を心がけ、脂っこいものや肉類など消化に時間がかかるものは控えめにします。一口につき30回を目安にゆっくり噛むことも、胃腸の消化を助けます。

仮の例として、寝る直前にお餅や果物を食べていた60代の女性が、寝る3時間前から何も食べないようにしたところ、朝までぐっすり眠れる日が増え、朝の目覚めが軽くなったといいます。ただし、空腹でかえって眠れない場合は、無理に我慢せず少量の消化に良いものを選ぶなど、自分に合う方法に調整してください。

入浴の温度と時間はなぜ眠りに関係するか

体は夜に向けて内側の温度を下げることで眠気が強まります。ところが、熱すぎるお湯にさっと入ると体温が急に上がり、その後下がりにくくなります。これが布団に入っても体がほてり、目がさえてしまう原因になることがあります。ぬるめのお湯にゆっくり浸かると、上がった体温が就寝のころに心地よく下がり始め、眠りにつきやすくなるとされています。

お湯の温度は38度から40度くらいを目安にし、およそ15分ほどゆっくり浸かります。夕食後、就寝の90分ほど前に入浴を終えるのが理想的です。シャワーだけで済ませる日は、洗面器1杯のぬるま湯を首の後ろにかけるだけでも、体の緊張がほぐれやすくなるとされています。

仮の例として、熱いお湯にさっと入る習慣があった60代の女性が、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるよう変えたところ、布団に入ると自然にまぶたが重くなり、朝まで眠れる日が増えたといいます。ただし、心臓や血圧に持病がある方は、入浴の温度や時間について事前に医師へ相談してください。

朝の光、日中の活動、夕食、入浴の4つは、いずれも特別な道具や費用を必要としません。年齢のせいと決めつける前に、できる範囲で一つずつ試してみる価値はあります。ただし、眠れない状態が続く、日中の強い眠気や体調不良がある場合は、睡眠の専門機関やかかりつけ医に相談してください。

シェアする

気になる記事から、別の視点も見つけてみませんか。

70代・一人暮らしの食事、手軽に栄養をとるための献立の考え方|主食のちょい足しから作り置きまで
シニアの食生活2026年10月15日

70代・一人暮らしの食事、手軽に栄養をとるための献立の考え方|主食のちょい足しから作り置きまで

70代で一人暮らしをしていると、毎日の食事の支度が少しずつ負担になり、主食だけや麺類だけで済ませてしまう日が出てきます。手軽に栄養をとるには、一度に献立を大きく変えるのではなく、主食に少量の食材を足す、大豆製品を添える、具だくさんの汁物をまとめて作る、作り置きを活用するという4つの工夫が役立ちます。こ...

記事を読む
「節約しているのに減っていく」60代から見直したい老後家計の習慣
老後資金2026年10月15日

「節約しているのに減っていく」60代から見直したい老後家計の習慣

節約しているつもりなのに、通帳の残高が少しずつ減っていく。そんな感覚は、無駄遣いをしているから生まれるとは限りません。老後の家計が苦しくなる背景としてよく挙げられるのは、暮らしが変わった後も、昔のままの使い方を続けてしまうことです。ここでは、その中でも見落とされやすい習慣を整理します。なお、以下は老...

記事を読む
年齢のせいと諦める前に。60代・70代が今日から試せる体の整え方
健康管理2026年10月15日

年齢のせいと諦める前に。60代・70代が今日から試せる体の整え方

年齢を重ねると、朝起きたときの体の重さや、椅子から立ち上がるときの「よいしょ」が気になり始めます。こうした変化を「年のせい」と片付ける前に、今日から取り入れられる小さな工夫があります。ここでは、朝の水分補給、台所でのふくらはぎの動き、太もも前の筋肉の意識、夕方の散歩という四つの習慣を、疑問と回答の形...

記事を読む
眠りが浅い60代・70代が今日からできる生活習慣|朝の光・白湯・散歩・夜の明かり調整
睡眠2026年10月15日

眠りが浅い60代・70代が今日からできる生活習慣|朝の光・白湯・散歩・夜の明かり調整

夜中に何度も目が覚める、朝になっても体の重さが抜けない。年齢を重ねると眠りが浅くなるのは仕方ないと感じている方もいるかもしれません。しかし、朝の光を浴びる、温かい飲み物をゆっくり飲む、日中に散歩をする、夕方以降の明かりを落とすといった生活リズムの工夫で、夜の眠りを整えられる可能性があります。厚生労働...

記事を読む
70代で足が重い・朝すっきりしないのはなぜ? 暮らしの中でできる5つの整え方
シニアの健康2026年10月15日

70代で足が重い・朝すっきりしないのはなぜ? 暮らしの中でできる5つの整え方

70代になって、椅子から立ち上がるときに膝を手で押してしまう、朝起きてもすっきりしない、夕方になると足が重い。こうした変化は年齢のせいだと片づけられがちですが、日々の食事や動きの小さな偏りが重なって起きている場合もあります。ここでは、暮らしの中で気づきやすい五つのサインと、今日から無理なく試せる整え方...

記事を読む
朝のだるさは年のせい? 起きてすぐにできる小さな習慣をQ&Aで解説
健康・シニアライフ2026年10月15日

朝のだるさは年のせい? 起きてすぐにできる小さな習慣をQ&Aで解説

朝起きたときの体の重さやだるさは、必ずしも年のせいだけではありません。布団の中で手足を伸ばす、常温の水を飲む、足首を動かす、深呼吸をするといった小さな習慣を見直すだけで、1日の始まりが楽になることがあります。ここでは、朝の短い時間にできる習慣について、よくある「なぜ?」をQ&A形式で整理します。なお、紹...

記事を読む