減っているのは、若い世代だけ
市場調査のデータとして紹介されているものに、18〜24歳のゲーム関連支出が前年比で25%減ったという数字があります。同じ期間で、アクセサリーは18%減、テクノロジーは14%減、家具は12%減。ゲームだけが突出して落ち込んでいます。
一方で、25歳以上では減少率は1%未満にとどまります。つまり、社会全体が節約しているというより、若い世代の財布だけが特に厳しく絞られている、ということです。
ゲーム機の購入率で見ると、18〜24歳では2022年の10%から2025年には3%へ下がったとされています。100人いたら97人が買っていない、という計算になります。
ただし、年収1,000万円を超える家庭では購入率がむしろ上がっているとも紹介されていました。ゲーム機が「みんなの娯楽」から、余裕のある家庭の選択肢へと性格を変えつつある、という見方もできます。
遊ぶ場所は、無料ゲームと実況動画へ移った
若い世代がゲームをやめたわけではありません。遊ぶ場所が変わったのです。原神、フォートナイト、Apex Legends など、基本無料で長く遊べるタイトルが中心になりました。1本のソフトを何年も遊び続ける形です。
もう一つ大きいのが、自分で遊ばずに実況動画を見るという楽しみ方です。面白いところだけを切り取って、お金も時間もかけずに眺められる。ゲームをする体力や集中力が惜しいと感じる人にとって、これは十分に合理的な選択です。
転売という、もう一つの壁
価格だけではありません。欲しいときに店頭に並んでいないという問題があります。抽選に外れ、フリマアプリを開けば定価の数倍の値札が並んでいる。この状況に対して、怒りの声が多く上がっているのも無理はありません。
儲かっているのに人が減る、という矛盾
さらに複雑なのは、ゲーム産業全体の収益は過去最高水準にあるとされる一方で、人員削減が進んでいる点です。2023年に約1万500人、2024年に約1万4,600人、2025年上半期だけで約2,800人が職を失ったという数字が紹介されていました。
収益の拡大と雇用の縮小が同時に進む。これはゲームに限った話ではなく、産業構造が抱える問題として受け止めることもできます。
日本の場合は、給料の問題が重なる
海外でも同じ傾向はあります。アメリカでも若者の支出は全体で13%減り、ゲームは25%減っています。ただし日本の場合、物価は上がっても給与が長く伸びていないという事情が重なります。値上げそのものよりも、値上げを受け止める余力のなさが効いているのです。
「ゲーム離れ」ではなく「遊び方の変化」
ここまでの話をまとめると、若い世代がゲーム機を買わないのは、ゲームがつまらなくなったからでも、我慢しているからでもありません。価格の上昇、無料ゲームの充実、動画視聴という代替手段、そして家計の余裕のなさ。これらが重なった結果、遊びの形が能動から受動へ、購入から消費へと移ったのです。
では、どう考えればいいのか
もし「昔のようにゲーム機を楽しみたい」と感じているなら、次のような見方が参考になります。
- 本体価格だけでなく、ソフト代と課金の総額で予算を決める
- 無料ゲームや中古、定額サービスも選択肢として比べてみる
- 実況動画で満足できるなら、それを手抜きと考えない
一方で、この整理が当てはまらない人もいます。家族と遊ぶ時間を大切にしたい人、新しいハードの体験そのものを楽しみたい人にとっては、価格は優先順位の問題であって、障壁ではないでしょう。何を面白いと感じるかは人によって違います。
ゲーム機を買うかどうかを決めるとき、必要なのは根性や我慢ではなく、自分の時間とお金の使い方を一度見直すことです。周囲が買っていないからといって、自分の楽しみを手放す理由にはなりません。