野球界のレジェンド、イチロー氏がリーダーシップの本質について語った言葉がある。「よく言われるんすよ。特に負けてるチームはそのリーダーが必要だって」と前置きしながら、彼は真にチームを機能させる要素を別のところに見出している。
「感じようとする人間」がいるかどうか
「もっと大事なのは何かをこう感じようとする人間がいるかどうかなんですよね」
イチロー
優秀なリーダーがいても、その姿から何かを感じ取ろうとする人が周りにいなければ、チームとして何も生まれない。逆に、決まったリーダーがいなくても、「何かから何かを感じようとする姿勢がある人間が集まった方が、実はチームとしてはうまく機能すると思います」と説く。
自然に生まれる中心人物
イチロー氏によれば、そうした人々が集まれば「なんとなく、あ、こいつが中心かなとかって出てくるんですよ」という。無理に役割を割り当てるのではなく、互いに感じ合う関係性の中から自然と中心が立ち上がる。それがチームの健全なあり方だという見方だ。
「安易にこれがこいつキャプテンやるとまくいかないですよ。残念ながら」
イチロー
自身の高校時代を振り返って
「キャプテンやったことないです、僕」「進められたことないです」と、イチロー氏自身も高校時代にキャプテンを務めた経験がないことを明かしている。リーダーという役割を与えられることと、周囲から信頼され中心となることは、必ずしも一致しないという実感が、この言葉の裏にある。
肩書きや役割の前に、まず「感じようとする姿勢」を持つ人々が集まること。それが組織を動かす本当の力になるのかもしれない。