サウナに通う人が減っています。サウナ関連の調査では、年1回以上サウナに入る人は2019年度に約2824万人だったのが、2025年度には1669万人まで減少しました。コロナ禍が大きなきっかけでしたが、その後も以前の水準には戻っていません。なぜサウナから人が離れたのか。背景を整理すると、再開したい人が何を選べばいいかが見えてきます。
サウナ離れの背景:ブーム以前から利用者層は広がっていた
日本でサウナが広がったのは1957年、東京・銀座の東京温泉に国産サウナが登場したのが始まりとされています。1964年の東京オリンピックでフィンランド選手団のサウナが話題になり、その後専門店が増えました。1990年代にはスーパー銭湯や健康ランドにサウナが併設され、風呂や食事のついでに入る人が増えていきます。
2010年代には「整う」という言葉とともに、サウナ→水風呂→休憩の流れが趣味として語られるようになりました。2019年にはテレビドラマの影響で一気に注目が集まり、初心者や若い世代もサウナを訪れるようになります。ただし、ブーム前の2017年度時点でも年1回以上利用する人は2800万人前後いました。つまり、サウナは突然流行ったのではなく、すでに多くの人が触れていた設備だったのです。
離れた理由は「サウナが嫌いになった」ではない
コロナ禍で多くの温浴施設が休業や人数制限を余儀なくされました。再開後も、食堂や仮眠室の休止、黙浴の推奨、サウナ室の人数制限などが続いた施設があります。サウナそのものより、サウナ後の食事や仮眠、友人との会話を楽しみにしていた人にとっては、行く意味が薄れてしまったのです。
また、ブームで初めてサウナを体験した人のなかには、水風呂の冷たさや髪を乾かす手間、混雑による待ち時間などから「たまにでいい」と距離を置く人もいました。サウナが嫌いになったというより、生活のなかで優先度が下がったという方が実態に近いかもしれません。
無理なく再開するための3つの工夫
1. 混雑を避ける時間帯と施設を選ぶ
ブーム期には、サウナ室の座席が埋まり、水風呂の前に列ができ、外気浴の椅子が空くのを待つ間に体が冷めてしまうという声がありました。再開するなら、まず混雑しにくい条件を選ぶのが現実的です。
- 平日の開店直後や閉店2時間前、雨の日など、比較的空いている時間を狙う。
- サウナ検索サイトや施設の口コミで、曜日や時間帯ごとの混み具合を確認する。
- サウナ室から水風呂、休憩スペースまでの動線が短い施設を選ぶ。移動が少ないと体が冷めにくく、待ち時間のストレスも減ります。
2. サウナ以外の楽しみもセットで考える
サウナだけを目的にすると、混雑や設備の制限が気になりやすくなります。食事や仮眠、友人との会話など、別の目的も含めて「施設で過ごす時間」として捉えると、多少の混雑も受け止めやすくなります。食堂や仮眠室の営業状況は事前に確認しておきましょう。もし休止中なら、近くの飲食店と組み合わせるのも選択肢です。
3. 無理な入り方を手放す
サウナに決まった入り方はありません。暑いと感じたら早めに出て構いませんし、水風呂が苦手なら足だけ浸ける、シャワーで汗を流すだけでも十分です。休憩は椅子が空いていなければ、壁にもたれて立ったまま深呼吸するだけでも気分が変わります。無理に長時間入ったり、冷たい水に我慢して浸かったりする必要はありません。
合わないと感じたら距離を置くのも選択肢
サウナに再び通うことが、すべての人に合うわけではありません。体調が優れないとき、持病があるときは無理をしないでください。近所の銭湯や自宅の入浴で十分にリラックスできるなら、それも立派な習慣です。サウナはあくまで選択肢の一つとして、自分の生活に合う形を探してみてください。