サッカー日本代表として活躍し、現在は実業家としても知られる本田圭佑氏。彼が語る「誘惑」との向き合い方には、多くの人が陥りがちな誤解を解く鋭い視点がある。
「誘惑には勝てない」という大前提
「誘惑に勝てると思ったらダメなんですよ。もうその考え方がまず僕違いますもん。誘惑には人間基本的に勝てないと思ってます、僕は。」
本田圭佑
多くの人は「意志の強さ」で誘惑を乗り越えられると信じがちだ。しかし本田氏は、その前提自体を覆す。人間は根本的に誘惑に弱い生き物であり、そこで戦い続けることは「人生永久に勝てないまま」終わると断言する。
たどり着くべきは「環境論」
「だから環境論にたどり着くんすよ。そのね、無用流れに誘惑と戦い続けたらね、あの人生永久に勝てないままね、もっと早く環境論に気づくべきやっだったって後悔しますよ。」
本田圭佑
誘惑と正面から向き合うのではなく、「できるだけいい環境に身を置くこと」を一生懸命考える。それが本田氏の導き出した答えだ。環境を整えれば、誘惑と戦うエネルギーを本来の目的に向けられる。
「やるなら一番を目指す」極端な勝負論
「こだわってるのはま、これはまた極端なんですけどゲームをやるなら勝てとかです。勉強あっても勉強でも勝てよとスポーツやってもスポーツでも勝てよというのは僕は極端です。」
本田圭佑
一方で本田氏は、取り組む以上は「勝つこと」「一番になること」を極端に追求する姿勢も示す。ただしすぐにこう付け加える。
「勝つことだけが人生じゃないし別にも勝者だけが本当に生きていく。こう間の中間の人たちも生きていける幸せに生きていける社会なわけです。だから一番であることが全て肯定化されるわけではないと思いつつも僕はあえて言いたいですねえ。やるなら一番目指すよと。」
本田圭佑
勝者だけが正義ではない。社会には多様な生き方があり、その中間層も幸せに生きられる。それを理解した上で、あえて「やるなら一番を目指せ」と背中を押す。その矛盾のなかに、本田氏らしいリアリズムがある。
小さな勝利の積み重ね
「誘惑に一つでも勝てた時の、もうその自分に対するもう肯定感、今日はちょっと勝てたんちゃうかみたいな」――そう語る口調には、完璧を求めない等身大の姿勢も垣間見える。基本は負ける。それでも今日、一つでも勝てたら、それだけで肯定していい。その積み重ねが、環境を整えながら進む道筋になるのかもしれない。