高麗芝が毎年同じ場所で枯れる原因は土にあった——刈り高・水やり・サッチの整え方
芝生の手入れ

高麗芝が毎年同じ場所で枯れる原因は土にあった——刈り高・水やり・サッチの整え方

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毎年同じ場所が枯れる、夏に茶色い輪ができる、肥料をやっても色が濃くならない。芝生の手入れを続けているのに同じ症状を繰り返す場合、芝そのものより下の土に原因があることが多い。芝を育てるのではなく土を作る順番に変えると、必要な作業が減り、症状も出にくくなる。ここでは、よくある7つの症状への対処と、同じ状態に戻さないための習慣を、高麗芝と西洋芝の違いを踏まえて整理する。

最初に確認したい芝の種類

日本の住宅の庭で多いのは高麗芝や野芝などの暖地型。冬に茶色くなるのは休眠で失敗ではない。一方、西洋芝は冬も緑を保つが、高温多湿の夏に弱い。刈り高、水やり、補修の時期が正反対になるため、海外の情報をそのまま使うと合わないことがある。冬に茶色くなるなら暖地型、冬も緑なら西洋芝と考えて進める。

よくある7つの症状と対処

夏に出る茶色い輪や帯

乾燥や虫ではなく、葉の病気の可能性。夕方や夜の水やりで葉が長時間濡れると発生しやすい。対処は朝の水やりに切り替え、風通しを良くすること。

  • 夜の水やりをやめ、朝日が出る頃に水をやる
  • 生垣の内側や物置の裏など空気が淀む場所は、周囲の植栽を軽く透かす

症状が広がっている場合は芝生に使える殺菌剤もあるが、水やりと風通しを直さないと毎年同じ時期に繰り返す。

芝生の中に入る雑草

雑草は健康で密度の高い芝には入りにくい。隙間ができた結果として生える。暖地型芝は種ではなく横に伸びる茎で広がるため、薄くなった場所には春(3〜5月)に芝のマットを追加で貼る。西洋芝は秋に種をまいて密度を上げられる。すでに生えた雑草は雨の翌日、土が緩んでいるときに手で抜くと根が切れにくい。

通り道にできる裸地

踏み固めで土が硬くなり、根が伸びない。種や苗を入れても同じ結果になる。四本刃のフォークを15cm間隔で差し、前後に軽く揺らして土に割れ目を入れる。その後、目土を薄くかけてならし、暖地型芝なら春にその部分だけマットを貼る。土が呼吸できるようになると、同じ場所が繰り返し裸地になりにくい。

芝がめくれるように浮く・部分的に急に枯れる

コガネムシの幼虫の可能性。枯れた場所の芝を手で引くと、根が切られてめくれる。下に白い幼虫がいれば確認できる。対処は幼虫が小さい夏の終わりから初秋が効果的。線虫を使った資材や、芝生に使える殺虫剤を表示通りに使う。根本には土の状態もあり、土の中の生き物が豊かな場所では幼虫だけが急増しにくい。

いつまでも乾かない場所

雨どいの落ち口や庭の低い角など、表面は乾いても下の層で水が止まっている。本格的な排水工事の前に、1m間隔で深さ30cmほどの穴を開け、洗った砂利を詰めて表面から2cmほど下まで入れ、上を目土と芝で覆う方法がある。水が砂利の柱から横へ抜ける。数千円程度の材料費と半日程度の作業で試せるが、改善しない場合は地面の傾きの問題なので専門業者に相談する。

犬の排泄場所に出る黄色い斑点

尿に含まれる窒素と塩分の濃度が、芝が処理できる量を超えている。用を足した場所に5分以内に水をかけると濃度が薄まり、枯れにくくなる。すでに黄色くなった部分は目土を入れて春に貼り替える。可能なら犬が排泄する場所を一角に決め、砂利や専用スペースを作ると確実。

肥料をやっても色が濃くならない

窒素を足し続ける前に、鉄分とサッチを疑う。鉄分が足りないと葉脈の間から黄色くなることがある。鉄分入りの液体資材を表示通りに薄めて散布すると、数日で色が変わることがある。また、刈りかすや枯れた茎が層になったサッチが厚いと、水や肥料が土まで届かない。指を芝の根元まで差し込み、茶色いスポンジ状の層が1cmを超えていたら取り除く必要がある。原因がはっきりしない一角は、土壌診断を園芸店や農協で受けると、不足している成分が数字で分かる。

同じ状態に戻さないための習慣

症状を一つずつ直しても、土と刈り方の習慣が変わらないと同じことを繰り返す。ここでは特に負担が少なく、効果を感じやすい習慣を4つにまとめる。

刈り高は種類で変える

高麗芝などの暖地型芝は、9cmや10cmの高さで刈ると下の茎が蒸れて病気が出やすい。目安は2〜4cmで、夏はやや高め、春と秋はやや低め。一度に全体の1/3より多く刈らない。伸びすぎたときは数日空けて2回に分ける。軸刈りになると回復に1か月以上かかる。西洋芝は逆に4〜6cmの高めを保つと根が深くなり、夏を越しやすくなる。

水やりは回数を減らして深く

浅く毎日やると根が表面にとどまり、暑い時期に焼けやすい。朝に、土へ15cmほど棒が入る量を目安に、回数を減らして深くやる。夕方や夜の水やりは葉の病気の原因になる。冬の高麗芝は休眠しているため、基本的に水やりは不要。

刈りかすとサッチの扱い

こまめに刈っているときの刈りかすは分解されて土に戻るが、伸ばしてから一気に刈った大量の刈りかすは分解が追いつかずサッチになる。こまめに刈るなら残し、久しぶりに刈ったなら取り除く。サッチが厚くなった場合は、春に専用のレーキや目の細かい熊手でかき出す。芝が一時的に薄く見えるが、その後目土を入れると1か月ほどで密度が戻る。

春と秋にやることを決めておく

  • 3〜4月:芝が動き出す前にサッチをかき出し、エアレーションをして、目土を5mm〜1cmほど入れてならす
  • 5〜6月:肥料は控えめに。暖地型芝は痩せた土でも育つため、入れすぎると病気が出やすい
  • 8月の終わりから9月:コガネムシの幼虫への対処と、痛んだ場所の補修を行う

この3つの時期を決めておくと、症状が出てから慌てずに済む。

芝生の手入れは、目に見える葉をどうにかするより、その下の土と刈り高・水やりの条件を整える方が、結果的にやることが減る。毎年同じ場所が枯れるときは、まず芝の種類を確認し、症状に合った対処を一つ試して、その後は春と秋の作業だけを決めておく。完璧に全部やる必要はなく、できるところから順番を変えるだけで、庭の状態は少しずつ落ち着いていく。

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