椅子から立ち上がるとき、手で膝を押していませんか。夕方の台所で「よいしょ」と声が出る日が増えたとしても、それを年のせいだと決めつける前に、毎日の献立で変えられる部分があります。70代の女性が意識したい五つの工夫は、卵、青魚、大豆、緑の野菜、汁物の具です。特別な食材や高いお金は必要ありません。ここでは、それぞれの理由と台所ですぐにできる取り入れ方を、Q&A形式で整理します。個人差があるため、できることから始めてください。
なぜ朝に卵を足すとよいのですか?
朝の食卓に卵を1個足すと、昼前のだるさを和らげる材料を補える可能性があります。体を支える筋肉や皮膚、髪の材料になるタンパク質は、毎日少しずつ取る方が使いやすいと考えられています。厚生労働省の食事摂取基準でも、タンパク質を毎日取ることが取り上げられています。朝は前の晩から時間が空き、材料が少なくなりがちな時間帯です。卵は手軽に用意できるため、朝の一品に適しています。
たとえば、一人暮らしで朝はパンと紅茶だけだった70代の女性を想定してみます。冷蔵庫に残っていた卵に気づき、次の朝から茹で卵を1個だけ添えてみました。鍋に湯を沸かして待つだけなので手間が少なく、数週間続けるうちに昼前のぼんやりした感じが減ったように思えたそうです。あくまで一例で、感じ方には個人差があります。
卵は1日1個を目安に、まずは試してみてください。茹で卵なら約10分、半熟なら約7分、目玉焼きなら約3分で仕上がります。前の晩に茹でておけば、朝は殻をむくだけで済みます。冷蔵庫で1週間以内に食べきるのが一般的な目安です。卵アレルギーがある方や食事の指示を受けている方は、無理に食べないでください。
青魚はなぜ週に数回が目安なのですか?
サバやイワシなどの青魚を週に3〜4回食べると、体の中の流れを保つ油を補えます。青魚の油には、血管の流れを保つ働きが期待できると考えられています。厚生労働省の食事摂取基準でも、魚の油の成分が取り上げられています。小川の水がさらさら流れていれば魚が元気に暮らせるように、体の中の流れを保つ掃除のようなイメージです。
魚は骨を取るのも焼いた後の片付けも面倒で、肉中心になりがちです。仮の例として、一人暮らしで肉と卵ばかりの食事が続いていた70代の女性が、サバの水煮缶を小皿に移して醤油を少したらしてみたところ、骨まで柔らかく、洗い物も少なく続けられました。缶詰を台所の棚の目につく場所に置き、週に3回ほど食べるようになったといいます。体の変化には個人差があります。
魚は切り身なら1切れ80gほど、缶詰なら半分から1缶を目安にします。焼かずにレンジで3分温める方法や、生姜や大根おろしを添える方法もあります。缶詰は塩分が多いものもあるため、汁は飲み干さないでください。小骨が喉に刺さらないよう、ゆっくり噛んで食べましょう。魚のアレルギーがある方や食事の制限がある方は無理をしないでください。
大豆はどのように食卓に取り入れればよいのですか?
豆腐や納豆は、肉や魚が続かない日のタンパク質の助けになります。大豆の栄養は体に合う形で使われやすいと考えられています。鍵と鍵穴に例えると、食べ物の栄養が鍵、体の材料を作る場所が鍵穴にあたり、ぴたりと合うと扉が開くようなイメージです。特別な道具や難しい料理は必要ありません。
仮の例として、夕食がお茶漬けだけになりがちだった70代の女性が、豆腐を冷奴にして納豆1パックを添えたところ、包丁も火もほとんど使わず、片付けまで含めて15分ほどで支度できました。それなら続けられそうだと感じ、2週間ほど夕食にこの2品を足す日が増えたといいます。続けやすさは大切ですが、体の感じ方には個人差があります。
豆腐は1日に1/3丁から半丁、納豆は1日1パック40〜50gほどが目安です。納豆のタレは半分だけ使うと塩分を抑えられます。冷奴には生姜やねぎ、ごま油を少し足すと飽きにくくなります。ご飯やわかめの味噌汁と組み合わせると、無理なく食卓に取り入れられます。
緑の野菜と汁物の具は、どうやって増やせばよいのですか?
緑の野菜をあと一色、汁物の具をあと一つ増やすのが基本です。卵や魚、大豆と組み合わせると、自然に野菜と汁物が増えます。たとえば、卵にはトマトやきゅうりなどの色のある野菜を添え、魚には大根おろしやねぎを添えます。汁物には解き卵を落としたり、サバの水煮缶を味噌汁に入れたり、わかめを加えたりする方法があります。
すべてを一度に変える必要はありません。今日の台所にある卵や豆腐、缶詰から一つ始めてみてください。病気のある方や薬を飲んでいる方は、医師や薬剤師に相談し、食事の指示がある場合はその指示を優先してください。続けやすさを優先しながら、自分のペースで取り入れることが大切です。