毎朝わかめの味噌汁を飲む人が気をつけたい「昆布の重ね方」——血圧・腸・甲状腺を守る朝の一杯
健康習慣

毎朝わかめの味噌汁を飲む人が気をつけたい「昆布の重ね方」——血圧・腸・甲状腺を守る朝の一杯

読了目安:約5分
文字サイズ

毎日のわかめが体にしている小さな変化

毎朝の味噌汁に乾燥わかめをひとつまみ。この習慣自体は悪くありません。海藻をほぼ毎日食べる人では心筋梗塞などのリスクが低い傾向を示す研究もあります。ただ、気をつけたいのはわかめの量ではなく、同じ汁に入りがちな昆布との重ね方です。首にある甲状腺への負担を左右するのは、わかめより昆布に多いヨウ素だからです。

乾燥カットわかめは水で戻すと10倍ほどに増えます。1つまみ1gでも小鉢1杯分になるため、薄味の汁物を満足感のある一品にしてくれます。

血圧と腸への助け

わかめのぬめりのもとであるアルギン酸などの水溶性食物繊維は、動物研究で塩分の一部と結びつくことが報告されています。ただし、わかめを食べれば塩が消えるわけではありません。日本人の食塩摂取は平均で1日9.8gと、高血圧の人の目標である6g未満を上回っています。わかめの役割は、塩分を直接減らすというより、薄味でも食べ応えのある汁物にする点にあります。

腸については、カットわかめ100gに食物繊維が約39g含まれます。実際に1回で使うのは1gほどなので、取れる繊維はおよそ0.4gです。十分な水分と一緒に毎日続けることで、繊維を足す習慣になります。

食後血糖と体重

戻したわかめを30gほど食事の最初に食べると、食後の血糖の上がり方が変わるという小規模な研究があります。効果の大きさはまだはっきりしませんが、野菜や海藻から箸をつける昔ながらの順番として無理なく試せます。

また、戻したわかめ100gは約20kcal前後と、ごはんの8分の1ほどです。かさがあり噛み応えもあるため、カロリーを増やさずに量を増やせます。

甲状腺とヨウ素

甲状腺は喉仏の下にある臓器で、体の代謝の速さを決めるホルモンを作っています。その材料がヨウ素です。50歳以上のヨウ素推奨量は1日140μg、耐容上限量は3000μgとされています。わかめにもヨウ素は含まれますが、乾燥わかめ1gでは約100μg程度です。味噌汁1杯なら耐容上限量に対して余裕があり、心配しすぎる必要はありません。

問題は昆布です。乾燥昆布は100gあたり200mg前後と、カットわかめの20倍以上。わずか1gで約2000μgになり、1日の耐容上限量の3分の2に届きます。毎日の味噌汁にわかめととろろ昆布を重ね、ごはんに昆布の佃煮を添えるような重ね方が、首に負担をかけるのです。

毎朝の一杯で避けたい3つの重ね方

わかめを減らす必要はありません。見直すのは、わかめと一緒に取りがちな昆布と塩の重ね方です。

昆布の佃煮・とろろ昆布を毎日たっぷり添える

乾燥昆布1gで約2000μgのヨウ素が入るため、毎日たっぷり使うと耐容上限量に近づきやすくなります。とろろ昆布や佃煮は楽しみの範囲にとどめ、甲状腺の治療でヨウ素制限を指示されている人は主治医に確認しましょう。

塩蔵わかめを塩抜きせずに使う

塩蔵わかめは表面だけでなく内部にも塩が残っています。さっと洗うだけでは塩分が残りやすいため、たっぷりの水に5分ほど浸し、途中で一度水を変えます。時間は商品表示に合わせると安心です。

海藻サプリメントを食事と重ねる

海藻を原料にしたサプリメントには、ヨウ素を多く含む製品もあります。毎日のわかめに加えて飲むなら、ラベルの栄養成分表示を必ず確認します。甲状腺の病気で通院している人は、自己判断で増やさず量は主治医と決めてください。

乾燥・塩蔵・生の使い分け

毎日の汁物には乾燥カットわかめが便利です。長く保存でき、ひとつまみずつ使えて量が見えます。袋の裏の食塩相当も確認しておきましょう。乾燥わかめ大さじ1杯はおよそ2gで、汁物2杯分の目安です。商品によって差があるため、表示も確かめます。

和え物や酢の物には塩蔵わかめが向きます。塩抜きの手間はありますが、肉厚で歯ごたえが良く、噛む回数が増える分満足感も上がります。買うときは原材料名が「わかめ」だけのものを選ぶと、調味液入りより塩と糖を抑えやすくなります。

生わかめは2月から4月頃が旬です。香りが強いので、しゃぶしゃぶや酢の物でそのものの味を楽しめます。傷みやすいため、買った日に茹でて、使わない分は小分けにして冷凍します。

薄味でも満足する食べ合わせ

わかめと酢、豆腐、玉ねぎは、塩を控えても味が決まりやすい組み合わせです。酢の物は戻したわかめ30gに酢大さじ1、砂糖小さじ半分から味を見ます。食事の最初の一品にすれば、野菜と海藻から箸をつける順番になります。

豆腐は味噌汁の定番です。1人分50gほどを賽の目に切り、わかめは火を止めてから入れます。煮すぎると溶けて歯ごたえもぬめりも失われてしまいます。玉ねぎは薄切りにして15分ほど置き、わかめとポン酢小さじ1から和えます。玉ねぎの甘みとわかめの旨みが塩の少なさを補ってくれます。

よくある疑問

毎日食べてもヨウ素は大丈夫?

乾燥わかめ1gのヨウ素は約100μgで、推奨量には近いものの耐容上限量のおよそ30分の1です。味噌汁1杯なら心配しすぎる必要はありません。ただし昆布と重ねると話は別です。

甲状腺の薬を飲んでいるが食べていい?

病気の種類や治療によって答えは変わります。普通の量でよい人もいれば、ヨウ素制限を指示される人もいます。必ず主治医に確認してください。

めかぶやもずくでも同じ?

水溶性食物繊維は含まれますが、栄養素の量や研究結果はわかめとまったく同じではありません。付属のたれには塩分や糖分が多い商品もあるため、表示を確認し、たれは半分にして酢で補うとよいでしょう。

毎朝のわかめは、薄味の汁物を続ける助けになります。わかめを減らすのではなく、昆布との重ね方と塩抜きを見直すだけで、血圧と甲状腺への負担は小さくなります。明日の朝はわかめをひとつまみ振ったら、とろろ昆布の袋は棚に戻しておく。その一手間が、毎日の一杯をちょうどよい海の恵みに変えます。

シェアする

気になる記事から、別の視点も見つけてみませんか。

お金持ちが運動を続ける本当の理由|「時間とお金があるから」だけでは説明できない習慣
健康習慣

お金持ちが運動を続ける本当の理由|「時間とお金があるから」だけでは説明できない習慣

お金持ちはジムに通い、朝から走り、食事にも気を使う。そんな話を聞くと、「自分には時間もお金もないから」と距離を置きたくなるかもしれません。けれど、運動を続ける背景には、単なる暇や贅沢とは別の考え方があります。よく挙げられるのは、健康を「資産」として扱い、未来の自分のために時間と体力を先に確保するとい...

記事を読む
もの忘れが気になる60代・70代へ。台所と朝の習慣で見直す5つの血流ケア
健康習慣

もの忘れが気になる60代・70代へ。台所と朝の習慣で見直す5つの血流ケア

朝、布団から出るときに体が重い。人の名前がすぐ出てこない。そんな小さな変化を「年のせい」で片付ける前に、毎日の台所と朝の習慣で見直せる工夫があります。ここでは、脳へ向かう血流を穏やかに支えるとされる5つの方法を、疑問と答えの形で整理しました。特別な道具はほとんど不要で、今日から試せるものばかりです。...

記事を読む
疲れが取れない?栄養不足の3つのサインと今すぐできる対策
健康

疲れが取れない?栄養不足の3つのサインと今すぐできる対策

しっかり寝ているのに朝からだるい、やる気が出ない——そんなときは「根性」ではなく、体に必要な材料が足りていないサインかもしれません。1. タンパク質が不足するとどうなる?筋肉・内臓・ホルモンのすべてはタンパク質から作られます。不足すると疲れやすく、回復も遅れ、やる気が出にくくなります。毎食、手のひらサイ...

記事を読む
50代から太りにくくする5つの習慣
更年期・健康

50代から太りにくくする5つの習慣

同じように食べているのに体重が増える…そんな悩み、実は毎日の小さな習慣が原因かもしれません。 1. サラダだけで済ませない 野菜だけではタンパク質不足になり、筋肉が減って基礎代謝が落ちます。筋肉は代謝の約4割を担うため、減ると脂肪を燃やす力も弱まります。 毎食、手のひら1枚分の鶏むね肉・卵・豆腐・ツナなどを...

記事を読む

気になるテーマを、次も。

フォローしたテーマの新着記事をホームに表示します。登録は不要です。